近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

世界の人が平等にコミュニケーションする時代は来るのか?

今、私は、ちょっとした願望がある。

それは、世界中の人と、直接、コミュニケーションすることである。

これは、単純に英語をマスターすることとは違う。

それぞれの言葉の人と、直接、コミュニケーションするという意味だ。

こんなことを書くと、ほとんどの人から、それは不可能でしょ。と即答されそうだ。

そうです。不可能です。

 

ところが、疑似体験と言うか、ITの恩恵で実現する可能性のある時代に生きているのである。

 

 

 

 

人間は、言葉によってコミュニケーションをする。動物との大きな違いの一つである。

動物も、何らかのコミュニケーションをするという説が一般的だが、人間のような言葉を使うわけではない。

 

人間が言葉を獲得して飛躍的に進化したのか?進化する必然として、言葉が生まれたのか?それなりに本を読むと色々と興味深いことは書いてある。そもそも、進化と言うのは遺伝子の突然変異という説もある。

いずれにしても、人間は約数年前ごろに言語を獲得したとされる。

 

海外で活動していると、言葉の多様性に驚く。特にアフリカで活動すると実感は深まる。少数民族の言葉まで数えると一体幾つあるのか?

今、減ってきてはいるが約8000の言葉があるようだ。一方で、英語のようなメジャーな言葉がある。

 

日本国内だけでみても、地方の方言がある。

こちらも、人や情報の交流が進化するにつれて、方言を話する人は減ってきている。

だんだんと、人の交流が盛んになり、ネットでつながりが加速する中で、言葉は減る傾向にある。当然、少数民族の言葉や集落の方言は消えていく可能性が高い。

 

ビジネスをする立場から考えれば、世界中が英語でやりとりできるようになると、劇的にビジネスの可能性は拡がると思う。

地球全体が一体となって全体最適で環境問題や飢餓の問題など、人類にとって深刻な課題も解決できる可能性が高まるかもしれない。

 

しかし、人間の生活はビジネスだけで成り立っているのではない。人類誕生以来、地球上の生き物の多様性と共に存在することに価値がある。

自然と共生、調和するという事は多様性が前提だ。人間が自分本位に多様性を壊してはならないのである。

 

私が常々思う事がある、どうして世界にこれだけの違う言葉が誕生したのだろうか?

最初は、少数の集団での話し言葉から始まったと推察する。

 

私なりに勝手に、言葉の進化、多様な分岐の根拠を考えてみる。東アフリカで人類が誕生したと言われている。実際に、ルワンダで活動して、近隣国などを体験していると、想いは人類発祥の時代に飛ぶ。

いつごろ言葉を使うようになったかにも興味があるが、少なくとも人類が誕生して言葉を使いだした頃は、言葉は一つだったと思う。村の単位で言えば、村の長(おさ)と会話することが軸になる。そのうち、村が分かれていく。住む範囲もだんだんと広がっていくと、長の話し言葉が少しずつ違ってくる。それに気候などの生活環境が影響する。日本の今でも方言が沢山ある。暑い沖縄と寒い東北では、あきらかに話し方に影響が出ると言う。

後に書き言葉が誕生した。例えば日本語はとても特別のように思うが、それでも中国などとは漢字の共通点がある。近いエリアの言葉は似通う。

 

これから、人間にとっての言葉はどう変化していくのだろうか?

今は、AIが言葉を変えようとしている。

著名な書籍、ホモサピエンスによると、認知革命、農耕革命、産業革命と人類の進化の変遷が書かれている。

これに続いて、コミュニケーション革命とでもいえるのかもしれない。

もうすぐ自動翻訳、通訳は当たり前になりつつある。

いずれ世界は言葉の壁を越えて、全ての人間が会話できるようになる可能性はある。

そんな時代が始まっている。

 

人間は言葉を覚えてお互いの壁が出来てきたが、これからは壁がなくなるコミュニケーションが始まりつつある。人類にとっての言葉とは人間たらしめる根源だと思う。

 

以上