近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

日本人らしさと人間らしさを改めて考える

10年ほど前から、人間らしさとは何かに強い関心が芽生えた。

 

もちろん、それ以前も私は人間には興味がある方だった。好きか嫌いかよりも、人間に関わっていたいという気持ちが強いから、今のような仕事をしているのだと思う。簡単に言うと、人と人をつなげる。これが今の私の仕事の基点である。

 

20代にITの仕事に関わるようになった頃から、人にこだわってきた。

私がSEとして担当したある中小企業の顧客との修羅場の中で思いついたのが、“システムの前に人ありき”だ。

創業後も、このキーワードを軸に中小企業のIT活用支援をとことん事業化した。

 

あれから、20年、ITの世界も中小企業の経営を取り巻く環境もすっかり変わってしまった。想像をはるかに超えたスピードでIT社会が世界中で、浸透している。

 

私が、“人間らしさ”を改めて探求したくなった大きなきっかけは、やはりIT社会の進展だ。とりわけ、AIやビックデータの本格活用期に入りかけている今、ロボットも汎用的になりつつある今、そして、何よりもネット社会が一気に進展していることも大きい。

明らかに人間らしさを失いかけていると強く思うのである。

 

 

 

 

もう一つは、今回のコロナ危機である。

この2つに直接の因果関係はあるとは思えないが、今時点でも、人間の生活やビジネスに大きな影響を及ぼしている2大要素と言っても過言ではないと思う。

 

私は今、人間らしさに加えて、日本人らしさにも強い関心が芽生えている。

すでにあげた理由に加えて、新興国を活動の基盤にしていることが大きいと思う。

新興国ビジネスが長いと、日本を客観的に見てみる習慣は自然と身につく。これは似たような活動をしている人達との共通事項だ。 

 

日本が好きだからこそ、外から見て、日本を刺激したいと思うし、日本のためにもっとパワーを出したいとも思う。

人間らしさに強い関心を持っている今だからこそ、人間らしさと日本人らしさを並べて考えてみると、さらに日本人らしさが鮮明にできるのではと思っている。

当たり前の話だが、日本人らしさは人間らしさの中に包含される。

 

仮に、太古の昔から、人間を観察し続けている存在があるとすれば、それは宇宙と人間そのものと言える。

宇宙の話は別の機会にするとして、人間は人類誕生の時以来、人間自身をずっと考え続けているのは間違いない。

それがどこまで現代の人間に伝承してきているかは、私には確認のしようがないが、動物として、本質的に変わっていない部分が沢山あると思うし、それが人間らしさの原型で、様々な環境や変化の中で、人間らしさも変化してきているのだろうと私は推察しついる。

 

私は日本人なので、日本人らしさとは何かを深く追求して、理解して、日本人らしさとは何かを整理して定義して、できれば、後世に残したいと思っている。

 

こんなことを書いていると、自分でも思うのだが、今の仕事を一刻も早く辞めて、全精力をつぎ込んだとしても膨大な時間が必要となる。

 

この取り組みは簡単には実現できそうにない。

そこで、私なりの妙案を考えた。早速、実行に移すことにした。

日本人らしさを探求してきた人は数多くいるはずだ。例えば、単純に書籍で探してみる。案の定、沢山の本が見つかった。まずは、気に入ったタイトルを10冊ほど買ってみた。

 

まだ、全部熟読はしていないが、日本人らしさを探求するキーワードが幾つか鮮明になってきた。

自然、縄文時代、禅、和、大和言葉神道、仏教・・・

あとは、日本語だと思う。

日本語も奥が深い。言語には文化や習慣などが凝縮されている。

 

人間らしさであって、日本人らしさ。

世界が一気につながる時代。どこの国の人とも誰とでもコミュニケーションが可能になりつつある時代。日本人としてのアイデンティティを見失わず、世界の一員として、日本人らしさが役立つ時期に来ているのは間違いがない。

 

それが何かを論じる人は沢山いるが、実践する人は意外と少ない。

最後に付け加えるとしたら、人間らしさ、日本人らしさを実践する一人になりたいものである。

 

以上