近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

仕事ができる人はどんな人か、改めて考えてみた

気がきく人気がきかない人

これは約20年前の本のタイトルだが、最近、久しぶりにこの本が気になってきた。

読み返してくなって、早速、ネットで中古を注文した。

 

 

 

コロナ禍で全ての人にとって、何かと気にすることが多くなった毎日である。一方で気がきかない人が特に目立つようにもなった。これは対面での直接コミュニケーションが激減していることが主たる要因だと思う。気がきく人のカバーが及ばなくなっていると捉えている。

 

結果、日本中が疲れている。ストレスが蔓延している。実際、テレワークやオンライン上での仕事が世間でも一気に増えた。コミュニケーションが実に複雑に難しくなった。私のような専門の人間はともかく、世間がこの環境に慣れるのにはあと数年は必要だと思える。すでにブログに書いたが、だからといって安易に全てアナログに戻る話でもない。

 

すでに、テレワークに関してのノウハウ本は山のように出版された。出版業界の習性と言ったらそれまでだが、それにしてもワンパターン過ぎないか。

 

コロナ以前からも、SNSなどが全世代で多用されるようになり、SNS疲れやネット疲れは蔓延しつつあった。それに合わせて、対人対応を疎かにする人たちが増殖してきていた。対人対応能力が身につかずに大人になっているとも言える。

 

子供の頃から、今のような環境で育つと、ネットの世界に引きこもることが容易にできてしまう。特に、ネットでの顔が見えない世界で、対人対応力を磨けない子供たちが沢山いる。そして親や周囲もなかなか気づけない。

 

アナログな人間関係のトレーニングを体験して大人になっていくのが望ましい。

こんな時こそ、超アナログの気がきく人が活躍してほしいと切に願う。

 

どんなにテクノロジーやITコミュニケーションツールが世の中に普及しても、ブレない微動だにしない人間関係の達人は存在する。多分それは、幼少期から超アナログの世界で鍛錬してきた方だと思う。必然的にシニアの方に多い。

 

特に、ビジネスでITやネットを使わない仕事が日々減ってきている。こんな急速に変わりゆくコミニュニケーションのやり方に、ほとんどの人はついていけていない。だからこそ、そろそろ一旦、人は原点に立ち返るべきであると思う。

世の中のサービスや仕組みが、急速にIT化している中、もちろん、日常生活でも同じことである。

 

気がきく人は対人対応能力が優れていると言える。

 

“気がきく人は仕事ができる人”は疑う余地がない。

 

その中でも、今大切な対人対応の重要なスキルを一つ上げるとすれば、それは“気配り”だと思う。

気配りというのはとても奥が深い。

目配り、気配り、思いやり。あるいは、目配り、気配り、心配りが気の利く人の特徴だが、その中でも特に気配りが重要だと考える。気づいて先回りしてアクションすることだ。

 

仕事には色々ある。

技術職、管理職、営業職、研究職、経営も仕事の一つである。私も40年仕事をしてきたのと、仕事で関わってきた多くの人の仕事ぶりを見てきた。特に社員教育という仕事を日本国内外でもそれなりに行ってきたので、人の仕事ぶりを観察するのは得意な方だ。

 

仕事をするとひとことで言っても、結果とプロセスの両面からの話だが、できる人できない人に分かれる。これは必ずしもプロとそうでないと言う意味ではない。近い言葉で一流かそうでないかの表現もあるが。

 

創業した時に社員教育に力を入れていたことを、私はブログにも書いたことがある。

その中でも特に、気配り研修を意識して“気がきく人”というテーマには力を入れた。

 

冒頭で紹介した本はいまだに、私の社員教育の原点であるが、仕事ができる人は気がきく人、が正しいのか、気がきく人は仕事ができる人、が正しいのか?

長年考えてきた。

今の私は、本当に仕事ができる人は気がきく人と断言できる。何よりも接していて心地よい。

 

もちろん、仕事には向き不向きがある。

気がきくスキルを最大に発揮できる仕事は、対人対応を重視する仕事だ。接客は言うまでもなく、営業的な仕事、人のお世話をする仕事・・他にもいくつか浮かぶ。

あと、アシスタント業務である。芸能界で言えば、マネージャーの印象が強い。

おもてなしの世界でも、気が利く人の存在は絶対だ。

 

気が利く人は天性のものか?

このことも20年間常に私の意識にある。

たしかに、子供のころから生まれつき気がきくタイプの人はいる。

 

そういう素養があったとしても、今のSNSやIT全盛時代に、気がきく人を育てるのは大変だ。

創業時は、私は学びの機会が他人を成長させると思っていた。そしてある程度は自分で教えることができると思っていた。

 

ただ自分が教えようとする時に、どうしても自分基準になってしまう。今は、もっと、世間での気がきく人をお手本にしようと思っている。

特にコロナ禍の混乱の中、なかなか気づける人が少ないことに最近、改めて気づいた次第である。

 

生まれつき気配りの素養のある人は一定確率いる。そういう子供たちをすくすくと自然体で伸ばす環境が必要だし、仮に生まれつき苦手だったとしても、もっと、日本のお互い慮る土壌が蘇ってくれば、心地よい仕事や生活が出来るのではと思う。

 

以上