近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

BCPをどうやって対処すればよいか・・

BCPという聞きなれない言葉がある。

企業経営におけるリスクマネジメントの一環で登場する。

英語でフルで書くと、business continuity planningとなる。日本語では、事業継続計画といったところだろうか。

会社経営において、最大のリスクは事業継続ができなくなることだ。倒産は言うまでもないが、その前の段階として、事業の存続が危ぶまれるほどの、重大に悪い出来事が発生した時に、どういう対策をしておくかである。

 

まだ、記憶に新しいが、東北大震災の時のことは、経営者だけでなく全国民の災害に対する意識が高まり、あの緊張感はいまでも体に残っている。

私の場合は、その更に前に、阪神淡路大震災を経験したので、すでに大地震はいつ起こってもおかしくないという感覚はあるが、それでも日常でそういうことを意識して、あるいは、対策を考えて行動できているとは言い難い。

 

実際、私の場合は、阪神大震災に遭遇したタイミングといいうのは、創業してちょうど1年目の冬の事であった。SOHOワーカー(今でいうテレワーク)を目指して、実際に在宅勤務で数名で活動をしていた。メインの事業は、ベビー用品、ベビー服などのリサイクル事業であった。

パソコンソフトで管理システムを構築し、それなりのビジネスモデルにはなっていた。

 

もちろん、そのままビジネスとして成功したかどうかは分からないが、このビジネスを立ち上げて、約1年後に大震災に遭遇したのである。BCPの観点から言うと、交通網の混乱が何か月か続いたために、中古商品の仕入れと配達が出来なくなった。

震災発生後から、2か月経った頃に、やむなく事業継続をあきらめた。

そして、すでに1000人を超える会員の方々に、再開する可能性はあるが、一旦、サービスを休止しますと、FAXでご案内した。

こうして、ブレインワークスの最初の事業は、断念することになったのである。

 

そして、もともと、メンバーが経験していたパソコン関係の仕事にシフトしていくことになる。

すでに30年近くビジネス活動をしていると、自社でもBCPに影響するような経営環境の変化も何度も経験しているし、企業支援の中で、ある日突然、事業継続を断念するような事態に遭遇した会社も沢山見てきた。

 

今、ITを経営に当たり前に使うようになってくると、ITを使っていることで、何かあった時に、事業継続に関してリスクが生じている。

このことは、なかなか、気付かない。

最大のリスクは、重要な情報やデータが消失してしまう事だ。万が一のためのバックアップが今ほど、重要視されている時代はかつてない。

 

また、機密情報漏洩も会社の存続を左右するほどの時代にもなりつつある。従来からあった、自然災害や予想外の事故など、BCPを強化しておく必要はあったが、それに加えて、デジタル社会の進展によるBCPも必要になっている。

 

100年に一回発生するかもしれない津波に、巨大な防波堤を建設するのか?それとも、いざという時の避難の対策を徹底して災害から逃れる方法を優先するのか?なかなかのジレンマである。

 

これは、企業経営においても言える。常に、バランスの良いBCP対策を実行していきたいものである。

 

以上