近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

理論と実践のギャップのジレンマとバランスのとり方

理論より実践である。

これは、仕事に限らないが、現場で実際に実践している人の言い分である。

私もこれに同意するところはある。言うだけ番長になりたくないので、理論が先行しそうになったら、現場に行く。

 

この逆で実践より理論という話は、聞いたことがない。理想とする所は、理論も実践もちゃんとできている事。私の目指すところもここであるが、これは実に難しい。

自分がやっていても難しいが、世の中を見ていても、人間の永遠の課題ではないだろうかと思うところもある。

私は、会社を創業した人間で、まずは、経営にこの理論と実践を当てはめてみる。

私のようなタイプは、会社名を決めて法務局に登記した以外は何も準備をしていない起業である。

 

これを理論派から言わせると、なんと無謀なということになる。

一方で、私のようなタイプは、何も知らずにするワクワク感を味わいたいと思っている。

へんに知ってしまったら、行動に制約を受けるようにも感じる。

もっとも、これは言い訳も混ざっていて、後になって想うものだが、やっぱり、経営のイロハぐらいは知ってから、あるいは、資金調達の仕方や労務管理などの基礎知識を知ってから、起業するべきだと思った。

 

だから、もう一度、起業するならば、もっと、リスクがない状態、確実なやり方はできると思う。この意味での理論は必要だった訳である。

また、会社経営をしていると、MBAの話題は尽きることはない。MBAとは、有名な経営学修士号のことで、英語でMaster of Business Administrationとなる。

経営を理論的科学的体系的に学ぶ学問だと私は解釈している。

私は、企業支援もしているので、結果的には、このあたりで、学ぶことも、実践を通しながら、学んできた。

いわゆる鶏が先か卵が先かである。

だから、経営には実践も理論も大事だと確信している。

ただ、経験上一つ言えることは、このMBAのような領域は、学びすぎると、怖がって、イノベーティブな起業や経営は不可能になると言う事だ。

 

MBAは、今までの学問であって、決して未来を学ぶわけではない。こんな激動の時代は、偶発的なつながりが、イノベーティブに発展したりする。つまり、理論的ではない部分も沢山あるのである。

まあ、例外はあるにしても、MBAを取得してから、起業する人はほとんどいないし、そういう経営者は皆無である。やはり、前のめり感としても実践が先である。

とは言いながら、実は、こういう話は、少々複雑で、ちゃんとした理屈で言うならば、理論も実践も、PDCAで繰り返せばよいだけである。

つまり、出発点は、いきなり理論でも実践でもどちらでもよい、だが、ひとたび、PDCAに乗ってしまえば、結局は、どっちが先かではない。

 

理論->実践->理論->実践・・・か、

実践->理論->実践->理論・・・は、

同じことなのである。

 

最後に一つ、農業の事例を書こうと思う。

ベテランの農家は職人の世界だ。だから、超実践派である。一方で、農業には理論もある。

最近流行りのIOTで様々なデータを取得・活用して生産性の向上に貢献する。こういのうは科学的アプローチであり、理論の範疇に入るものだ。

 

実は、今、日本の農業は、こういう理論的なものと農家が長年積み上げて来た実践論がぶつかり合っている。私からすれば、どちらも正しいと思っているが、なかなか、それぞれの立場はそうは思わない、頭でわかっていても、体が順応しないのかもしれない。

これも、先ほどの話と似たようなもので、理論も実践もどちらも大切であるということが定着した時に、日本の農業は飛躍的発展ができると考えている。

 

以上