近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

仕事の本番と練習の違いを考える

スポーツやアーティストの世界を見ていると、本番と練習は明確に別物だと思える。

もちろん、外からそう見えていても、本人としては、本番なんだけど、実は練習も兼ねていると言うことはあるかもしれない。

ただ、プロであれば、それは外には見せてはいけない。

こういう世界は、見る側からしても、その分野に精通していなくとも、本番という概念が明確なので、本番以外は、練習という認識ができる。

また、本番のパフォーマンスを最大にするために、普段は、想像を超える練習をしていると信じている。

逆に言うと、練習を適当にしているプロなど存在しないと思うからだ。だから、どんな世界でもレベルの高い人たちの本番を見ていると、裏にある努力の積み重ねを感じることに対しても、感動や応援の気持ちが高まる。

 

では、私たちがしている一般のビジネス社会では、この本番と練習というのは、どれだけ明確に区分されるのだろうか。

例えば、私が習慣化している水泳で、仮に私がマスターズという大会を目指すとしたら、大会は本番、それ以外は全部練習という事にもなる。

実際私は、水泳では、そんな本番を目指している訳ではないので、毎日が練習ということになるが、実際は、そうではない。

超忙しい時とか、体調を崩した時は、2週間ぐらいのブランクができる。これぐらい空くと、直ぐに体がなまる。こういう時、少し大げさに書くと、私はリハビリの意識で、少しずつ、いつもの泳ぐ距離に戻していく。

この感覚で行けば、私が普段泳ぐことは、本番と言える。もちろん、誰かに見てもらっている訳ではないが・・・。

 

また、アマチュアのゴルフも似たようなもので。やっぱり、ラウンドするのは本番だ。ただ、ブランクが空いていると、本番しながら、勘を取り戻す。そういう意味では、ラウンドが練習になる。

 

そもそも、本番と練習の違いは何か?

プロスポーツやアーティストなどの世界であれば、有料でパフォーマンスをするとも言えそうだが例外もある。無料でも本番もある。

 

仕事の世界で言うと、会社員の事例であれば、給与をもらっているという観点であれば、仕事は全て本番である。しかし、流石にキャリアの浅い人が、いきなり仕事して結果を出せない。

世間でも言われるが、社会人になりたての何年間かは、給料もらいながら練習しているようなものである。

 

これを転職の世界と重ねると、更に話は複雑になる。一般的には、キャリアを重ねると、仕事力は向上する。仮に3年ごとに転職するとして。

最初の会社が自分の仕事力の向上のための練習だった。という振り返りにもなりえる。

もちろん、その時の報酬に見合う結果を出していれば別だが、どんな優れた人でも、駆け出しのころは、練習の比重が高い。

 

本番と練習は、常に入り交ざっているし、区別することは元来難しいとも言える。

 

ただ一つだけ明確に言えることは、練習をいい加減に考えている人は、本番では上手くできない。レベルの高いパフォーマンスは不可能だ。

だから、練習と言うのは、何よりも重要だ。

 

基本は、自分がその意識をもって、普段継続的に練習を重ねていく。こういう地道なところが重要だし価値を生む。

毎日が忙しい。それは一見よいことだが、大切なのは、その中身だ。目の前の事でどれだけ忙しくても、先につながる練習をどれだけ日々していくか、これが本番力を決めると言っても過言ではないのである。

 

以上