経営者のジレンマと試行錯誤
会社経営のやり方や方法は一つではない。
実際やってみたたら分かるが、きっと、引退するまで試行錯誤の連続だと思う。
私自身もそろそろ30年になるが、こうやれば上手くいくと言う感覚はあるが、それが10年通用するかと言えばそうではない。
今、お付き合いがある経営者で創業から40年、50年と言う方もいる。皆さん、チャレンジングというか、今でも経営を試行錯誤している。
日々実感しているが、経営環境は変化し続けているし、しかもその変化は加速している。顧客が変化する、経営をするために必要なビジネス活動の環境が変わる、ITが当たり前に使われてきたこともあるが、経営に関する情報は肥大する一方である。
もはや、数年でもこれで良いと言う方法はなかなか見当たらないような気がする。
試行錯誤と言う意味では、私はプロスポーツの人たちのもがきを見るのが好きだ。
もちろん、メディアを通しての話ではあるが、一時期、圧倒的なパフォーマスをしていたとしても、怪我や何かのきっかけで不調に陥る。
仮に同じように練習や準備をしていても、結果が違う。コーチを変えることもあれば、トレーニングのやり方を変えることもある。野球やゴルフなどのスポーツで言えば、スイングを変えてみることになる。
ゴルフだったら。パターなども典型だ。道具を変えたり、打ち方を変えたり。つまり、試行錯誤を繰り返す。そうやって、もがきながら、次のステージを目指す。見事に復活することもあれば、長年低迷することもある。
私は、会社経営をしていても同じような事の繰り返しだと思う。
会社経営において、するべきことは沢山ある。
経営戦略と言ってしまえば、ハイレベルな知恵を持ち寄って考えるように思われるが、現実にはそうではない。
やっぱり、当該ビジネスサービスで儲けが出るかどうかを最初に考える。
仮に、販売する前に、相当な自信があったとして、やっぱり、商売は売ってみなければ分からない。だから、販売を始めて、試行錯誤の連続になる。顧客の声の反映もそうだし、マーケティング戦略にしても、世の中の環境が激変する中で、試行錯誤が続く。
SNSの活用一つにしても、状況は刻一刻変わっていく。
組織運営はどうだろうか?
リーダーシップ、マネシメントから始まって、組織運営に関してのノウハウや成功事例も沢山ある。このテーマに関する本は本当に世間に溢れている。ドラッカーやカーネギー、ジャックウエルチなど、いまでも組織運営の指針になる。私もそれなりに本も読んできたし、自社で試してきたし、そもそも、顧客の組織運営力の向上に関する支援を数多く手掛けてきた。
そんな今想う事は、やっぱり、答えが一つある訳ではない。
基本無くして応用無しとは言う。
これだけは、絶対だと思う。だから、基本は何よりも大切なのだが、如何せん、応用が複雑すぎると、多岐に渡る。
こんな時代は、組織運営にしても、社員教育にしても試行錯誤しかない。
こういう試行錯誤の日常を嫌だと思えば、会社経営はできない。
ではやはり、折角なので、鉄板のオリジナルな経営の鉄則のようなものを生み出したい。もちろん、それは、自分が責任を持つ会社で実現できるのが理想ではある。
一方で、きっと、数ある日本の中小企業の中には、そういう経営の鉄則を試行錯誤して、確立しているところが沢山あると思う。
試行錯誤は人間の本質的なものだと思うが、せっかく、日本の財産として存在する中小企業の試行錯誤から生まれた知恵やノウハウを活用できるようにしたいと思っている。
以上