近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

質より量、量より質、どっちが大事かを考える

下手な鉄砲数打ちゃ当たる。

こういう言い方をビジネスで使うと、一般的には好意的には受け取れないと思う。

だが、私は、必ずしもそうは思っていない。

 

仕事をしていて、世間でも常に、質より量か量より質かの選択は奥が深い。

下手な鉄砲・・・というのは、明らかに、質より量の話である。何事もそうであるが、どんな世界でもどんな凄い人でも、最初は、ヘタである。

ここから、練習して鍛錬して、上手になるためには、やはり、量をこなさないといけない。

そして、長年の歳月を得て、質が高まってくる。

 

私は、元メジャーリーガーのイチロー選手のヒットを多く打つ秘訣は、打席に多く立つことです。という発言がずっと、頭のど真ん中にある。

もちろん、イチロー選手がホームランバッターだったとしたら、どういう発言をしただろうかと思うが、おそらく変わらないと思う。

 

昨年、ヤクルトの村上選手が、ホームラン記録を更新するかしないで、盛り上がった。日本の選手の目標である王選手の話題もセットでメディアを賑わしていたが、四球の数は、相当多かった。

要するに、量を減らす勝負でもある訳だ。見方を変えれば、勝負する機会をできるだけ減らす。相手の投手からすると、量を減らさないと、抑えることができないということだ。

だから、イチロー選手がどんなタイプのバッターだったとしても、同じであると思う。

 

ビジネスの場で考えてみる。

一つは、営業。一つは出会い。

まずは、営業だが、私は営業も量より質が出発点だと思っている。名だたる営業系の会社は、テレアポ、飛び込みは定番だ。伝説のような話は、ビジネス界でも常識のように流れている。

 

特に、テレアポ。今どきのIT活用全盛時代に、世の中から消えたと思いきや、全く、変わらず毎日テレアポしている大手の損保会社もある。これなどは明らかに質より量の世界である。

要するに確率の話だ。ターゲットのアプローチ先が1000あるとして、選んでテレアポすることも不可能ではないが、絞り込みはそこそこにしておいて、まずは、コンタクトしてみる。

 

そうすると不思議なもので、一定確率の何らかの反応がある。その反応に対しては、ちゃんと質の高いアプローチをする。こんな感じである。

 

営業成績が芳しくない人は、とにかく、良い商談を探すことから始める。これでも、もちろん、たまたま、ジャストフィットすることはあっても、結果は多く期待できない。もちろん、スーパーな実力があれば、野球のように、徹底的な四球攻めにあっても、数少ない打席で、とんでもない結果は出せるが、こういう人は、特別な人である。

 

営業パーソンの世界にもこういう人は稀に入るが、一般の人がまねできるものではない。だから、やはり、営業も質より量が出発点である。

 

次に出会いについて考えてみる。

私は、原則、交流会などに仮に参加したとしても、ガツガツ名刺交換などはしない。極端に言えば、たまたま、隣にいた人と、話して終わり。私は、そんなものだと思っている。

かといって、質を追っかけている訳ではない。200人が参加していたとして、たまたま、横にいた人とつながろうとしているだけだ。

 

言い方を変えれば、人で賑わっているどこかの都会の駅前で、人と接点を持とうとしている訳ではない。たいていの交流会は、一定の条件に当てはまる人が来ている。その中で、誰とたまたま巡り合っても、もともと、質が高いとも言える。

 

だから、ここでわざわざ、多くの名刺交換をする必要もないと思っている。

 

質より量、量より質。どっちが大切かというよりも、量とは何か?質とは何かを分けて考えるのが程よい具合だと思っている。

 

以上