近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

官公庁や自治体の入札情報で社会の変化を学ぶ

入札マーケットという言葉を知っている人は、ビジネスの世界にどれだけいるだろうか?

 

日本だけではないが、企業から見た経済活動と言うのは、民間事業と公共事業に分かれる。

公共事業と言えば、建設業などが分かり易い。今でこそ、少なくなったが、年度末(3月末)が近づくと、街中の道路工事がやたら増えていたのはいつ頃だっただろうか?

 

仕事をしていない時は、特に気にもならなかった。働きだして、だんだんと世の中を知ると、年度末に道路工事がやたら増えるのは、その年度の予算を消化するためだと聞いて、驚いたことを記憶している。

予算を余らしてはいけないので、予算を消化する。民間の感覚からすると、不思議だった。

とはいえ、最近は税収が落ち込む中、そういう話も減って来た。そして、道路工事は私たちの身近だから、生活者でも変わりやすい。

 

見えない公共事業がどれだけ世の中にあるか?

殆どの人は知らない。今なら、官公庁や自治体のDX対応、情報セキュリティ対策の業務が増大している。

地方に行けば、地方活性化や第一次産業の支援の業務も沢山ある。高齢化社会、女性活躍などついても、沢山、業務がある。これらに付随した様々な調査の仕事もある。

地場の中小企業の海外進出をサポートする業務も沢山ある。正直、書き出したら何ページあってもたらない。

道路工事だけでなく、沢山の仕事が、公共事業として、企業に発注されているのである。

 

2021年度の予算で20兆円以上である。これは基本的には民間企業が委託などを行けてビジネスとして行う。だから、20兆円以上の入札マーケットが存在していることになる。

 

企業の中には、全く、公共事業には無縁の会社もある。そもそも、そういう仕事があることを知らいかもしれない。

仮に知っていてもハードルが高そうに思うかもしれない。経済産業省なども中小企業の入札マーケット参入を後押しするが、遅々として進展はない。それだけ様々なハードルがあるということであるが、今回はこの部分は割愛する。

 

実は、この入札情報は、基本的には一般公開される。また、本予算にしても、補正予算にしても、誰でもその内容は見ることができる。そのそれぞれの予算項目が細分化されて、実案件として、民間企業に発注されているのである。

 

入札情報を知ることを、社会人だけでなく学生さんにもお勧めしたい。

国や自治体が様々な知恵を使って、社会をよくする取り組みであったり、日本の課題を解決する取り組みを行っている。

企業の活動と言うのは、どうしても営利目的が先になる。民間企業の動向だけを見ていては、社会の動きは分からない。

 

本当の意味で、日本の課題を把握して、これから必要な仕事は何かを知りたければ、この入札マーケットに溢れている仕事の内容を眺めてみると分かる。

大きな単位でなくてもよい。自分が住んでいる自治体、自分の故郷の自治体が行っている入札業務を眺めてみると、身近ところで私たちが日常知ることもなかった業務が行われていることが分かる。何も道路工事だけでないのである。

 

ただし、本当にそれが適正化、役に立っているかの判断は、税金を支払う側がしっかり行うということも大切である。

 

以上