近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

過渡期の日本の教育はこれからどうなるのか?

日本は、世界から見たら、教育が出来ている国と言う印象がある。

特に、新興国に接していると、日本の教育をお手本にしたいと言う声は根強い。

なかでも、日本の事が少し深く分かってくると、子供の教育を日本流で受けさせたいという親御さんも多い。

 

私が長年関わっているベトナムの変化もそうだった。20年前は、日本の事は未知の分からない国だった。なにせ、日本に行った事があるベトナム人は少なかった。

それが、だんだんと、ベトナム人が日本の事を分かるようになってきた。

一つは、技能研修生や留学生が一気に増えてきたからで、日本に住んだ経験は大きい。

もう一つは、ビジネスの交流が盛んになり、経営者クラスが日本に来るようになった。

 

そして、観光客も増えつつあった。これがコロナ禍が始まる前の変化だ。

 

日本との交流が深まるにつれ、日本人の行儀の良さやチームワークを重んじるこの国の教育に関心が高まった。根っこには、子供の頃の躾にある。これは、ベトナムだけでなく、新興国の多くの国が、似たようなことを日本に期待している部分である。

 

私の率直な意見は、日本人らしさの原点である、子供の頃からの躾やチームワークなどは、大事にしたい。

実際の日本は、だんだんと、乱れてきた部分ではあるが、もう一度、日本人らしい教育を子供時代から再構築することは大事だと考えている。

 

それは、新興国などが期待している未来像と重なる。ひいては、世界が健全に発展することに貢献できると思う。

 

次に、小学校や中学校の教育制度を考えてみる。

最近では、英語、プログラミングと新種の科目の導入が話題になって来た。確かに、世の中の変化につれ、こういう科目も義務教育に必要な部分はあるかもしれない。

 

だが、私はそれ以上に、昔で言えば、社会科を充実させた方が良いと思っている。つまり、今の社会を学ぶことである。環境問題や農業の衰退の問題など、子供達の近い未来に、確実に影響してくることを知らずして、何を学ぶのか?

 

自然体験ももっと必要だと思う。

新興国から来ている海外の人達との交流も必要だ。子供たちの学びは、受験のための部分があるのは否めないが、やはり、社会勉強をすることが一番大事だと思う。

 

そして、大人の教育であるが、今、リカレント教育、リスキリング教育とメディアでにぎわっている。国も兆単位の予算をつけるようだ。

 

このままではいけない、変化に適応するために、再び、経済成長するために・・色々な動機はあるにしても、概ねの話が、ビジネスの世界で必要な教育をどうするかの話題に終始していると私は思う。残念だ。

 

だから、どうしても、ITやAI、データサイエンスなどを学ぼう。こういう部分が目につきすぎる。私は、今の大人たちに足らないのは、属している会社の発展のためだけに働いてきた、そこで結果を出すためだけに学んできたために、疎かにしてきたところだと思う。

 

いつまでも、右肩上がりの経済成長が続く前提で、ビジネスの場での学びがあった。

だから、社員教育が必要だっし、専門特化が求められた。

今は、それが根底から崩れてきている。

SGDsをうわべだけで捉えた活動も目立つが、本質的なことは、右肩上がりの経済成長、いまだけを優先してきた企業の成長から大きく変わる時だである事だ。

 

会宝産業株式会社の近藤典彦会長が提唱する"下山の経営"なのである。

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頂点を目指す登山の経営は、頂点しか見ていない。下山の経営は、眺めてみれば、世の中全てが見渡せる。その中で、どう下山するかである。

 

今のビジネス界の教育は、再び頂点を目指すための教育ままではないだろうか。

下山のためには、地球の事、環境の事、貧困の事、地域の事、高齢化社会の事・・仕事以外の学ばないといけないことは山のようにあるのである。

 

以上