近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

中小企業をもっとリスペクトする日本へ

中小企業数は、全企業の中で99.7%を占める事実。

どれだけの日本人が知っているだろうか?

就業人口においても、中小企業の占める割合は、約70%である。子供でも分かるが、日本の経済は中小企業無くしては成り立たないのである。

もちろん、これは先進国でも新興国でもあまり変わらない。

ちなみに、ここで言う中小企業の定義は、中小企業庁の定義に沿っていることを付け加えておく。

 

私は、社会人になった時は、中小には属していなかった。大手のゼネコンに就職したからだ。実家が農家だったので、第一次産業の世界しか知らなかった。そして、就職も流されるようにゼネコンへの就職を選んだ。転機は20代半ばの最初の転職だ。その時はITの専門職として、私の転職先は大手企業だけを視野に選んでいた。

ところが、結局は、会社の先輩から、推薦された小さなITエンジニア派遣の会社に転職した。

 

その際に、最初の会社の尊敬する上司から言われたことを鮮明に覚えている。

“中小の世界にいったら、その世界に染まってしまうよ。”と。

私は今でもこのアドバイスを好意的に取っている。要するに覚悟してやりなさい。ということと思っている。

そして、もう1社、20代で転職した。

、大手IT人材派遣会社の子会社の設立に関わった。この会社も私が在籍時、MAX社員30人と小さかった。そして、31歳で独立した。まさしく、中小企業の立ち上げである。そして数年して、ベンチャー企業と言う定義にハマっていることを知った。

 

もちろん、その頃は、夢のような構想は沢山あった、紆余曲折と言う言葉でも足らないぐらいの試練もあった。経営環境も劇的な変化が続いている。気づいたら、中小企業を30年近く運営している。

仕事柄、中止小企業のペースメーカーを標榜しつつ、創業当社から大手企業の仕事もそれなりにこなしてきた。今は、官公庁自治体から大学、病院など、様々な組織に対して、業務改善やIT支援、セキュリティ対策などのビジネスを提供している。

一方で、新興国への進出支援も、大中小問わず依頼を頂いている。長年、こういう環境でビジネスをしてきて思うのが、やはり、中小企業は大変だし、その役割の大きさ、重さは想像以上だし、日本の財産だと思うのである。

中小企業の大事な役割の一つは、コロナ過で広く語られるところとなったが、エッシェンシャルワークという仕事である。それはほぼ、中小企業が担っている。

私たちの生活が大変なことに直面しても、日本の経済が混乱しても、私たちの生活に欠かせない仕事がいくつくも存在し、それは中小企業が支えていると言う事実。

もう一つが、大企業も中小企業無くしては、自らの役割が消えてしまうという事実。

ただ、たいていの日本人は誤解したままだ。要するに元請け下請けの構図で、経済の仕組みを理解する。これを現場がどこになるかの視点に変えないといけない。建設現場は、確かにゼネコンが仕切る。現場監督はゼネコンからだ。

しかし、現場で建設作業するのは、サブコンや専門職の会社であったり職人の人達だ。今では、外国人実習生も沢山いる。こういう人たちがいないとゼネコンも成り立たない。

 

また、運送業もそうだ。どれだけの小さな会社がモノを運んでいるか。

挙げだしたらきりがないが、日本人の労働観が健全に変化し、短絡的な大手志向、安定志向から、もっと、働き甲斐、社会を支える仕事という観点からの中小企業へのリスペクトを高めていきたいと考えている。

 

以上