近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

新興国人材にそっぽ向かれる心配をしないといけない日本

今、円安だ。それによる影響は多方面に出でいる。

実は、新興国から日本に働きに来ている彼ら彼女らにも大きな影響がある。概ね技能研修生と留学生によるアルバイトで収入を得ている。彼ら彼女らにとっては、日本で稼いだお金を自国に送金している人も多い。円高が続くと、送金分の貨幣価値が目減りする。ますます、日本は、選ばれる国ではなくなってしまいそうだ。

 

 

ベトナムや近隣の東南アジアの国の若者から見たら、最近になってようやく日本が魅力的な国として認識されつつあったところだった。この円高が水を差すような影響がありそうだ。

もともと、10年以上前の日本は、ベトナムなどから真っ先に選ばれる国ではなかった。韓国や台湾の方に目がいっていた。その理由はシンプルで、日本の事をあまり知らなかったからだ。

 

そして、コロナ禍前までに、ベトナム人の留学生や技能研修生の数は、一気に増えていた。そういう中でも、日本は、海外から批判の対象でもあり続けた。新興国から日本に来て頑張って働いている彼ら彼女らへのサポートが不十分で、一部の悪例が原因で、奴隷労働という評論までされていたような実態がある。

 

日本は、この先何十年も、若手の人手不足が続く。製造業、建設業などの基幹産業や、人でのサービスによって成り立ってきたサービス業、介護などの分野、そして第一次産業、これら重要産業の労働力を長年にわたって支えてもらってきた。

 

ところが、こういう彼らか彼女らに対する日本側の受け入れ姿勢や実際の対応に大きな課題が沢山あった。コロナ禍がそろそろ落ち着いて、日本の真価が問われるタイミングだった訳だ。

そこに思わぬ円安により彼ら彼女ら自身のメリットが減ってしまう。ある意味、由々しき事態なのである。

日本人の今の生活や産業の基盤は実に脆弱な新興国の若者に頼り切って来たつけが一気に噴出するのかもしれない。

だからこそ、茹でガエル状態の日本から目覚める時、タイミングなのである。

円については、上がることも下がることもあるので、そういうこと影響されないような、人事的な待遇であったり、日本の魅力をもっと高めたり。色々と打開策はある。

 

特に、私が、これからの日本がしないといけないのは、来てもらう事ばかり考えるのではなく、彼ら彼女らの自国の中にいながら、如何に日本に貢献してもらうか。

その解決策の一つ、オンラインでの仕事環境は活用できることが幾つもある。もちろん、日本の現場でしかできないことも多いが、一方で、職種によっては、日本にいなくでも出来ることもある。

 

コロナ禍でせっかく、多くの人が気づいた、働き方の変化、これを日本も、新興国の人材活躍の場に取り入れていくことが必要だと思う。そのためには、将来を見据えて、もっと多様な職種に従事できるように制度を変える。

自国にいても、日本の仕事の研修ができる。色々な工夫ができるのではと私は考えている。

 

以上