近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

情報過多の時代の情報を考える

私のように、長年、ITに関わって仕事をしていると、情報について考え続けて仕事していると言っても過言ではない。

人類が誕生した時から、人間はコミュニケーションを図るために、何らかで相手に情報を伝えてきた。これは、ミツバチや動物も行う本能的に持っているものがベースにある。

 

人間だけが、進化と共に、膨大なる情報を生み出すようになり、それをたよりに社会を構築し、生活を営む。そして、今やその情報が空気や水のような存在と言ったら大袈裟であるが、私たちの生活環境に当たり前に存在するようになった。

 

この情報とやらは、とても曖昧模糊としているし、どこに存在しているかすら分からない。私たちの営みにプラスになることもあれば、マイナスに作用することも多い。

 

今は、誰しもが感じているように、情報過多の時代だ。とはいえ、仮に、スマホやパソコンを一切使わなかったとしたら、30年ほど前の生活環境とはさほど変わらない。テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアと、街中の広告などが主な情報源であったこの時代と変わらない生活はできるかもしれない。

 

ただ、自分が今そういう状態に身を置けても、周りの人がそうではない。家族、会社、コミュニティ。今やほとんどがデジタル社会の中で生活をしていて、仕事をしている。この人たちと接する限り、スマホやパソコンとは一切無縁でも情報過多の社会からは逃れることは難しそうだ。

 

否が応でも、自分を惑わす、心を乱すような情報が飛び込んでくる時代。パソコンで仕事に集中していても、誘惑の情報はいつ現れるかもしれない。スマホも一緒の事ではあるが、やはり、今の人はスマホを手放せない人が多い。ということは、自らが情報過多の世界に飛び込んでいるようなものである。

 

もちろん、30年前のような状態が、仮に健全だったとしても、そこに戻ることはない。

情報量や拡散力で言えば、さらに加速度的になっていく。

人間が平穏に情報社会で暮らして、自分の生活やビジネスに有益な情報だけを見つけて、活用することは随分前から不可能と思える。

もちろん、積極的に探しに行けば、幾らでも良い情報はある。ただ、それはきりがない。迷いが生じるだけである。しかも良い情報と思っていても、フェイクや詐欺の巧妙な手口かもしれない。

 

そもそも、情報発信をしている企業や個人を信用するのか?この見極めも大変だ。こんな世界に全く関心をもたずに、ひっそりと生活している健全な人は沢山いる。こういう方々とは、今のネット社会でつながることはめったにない。

 

情報は見えると言えば見える、見えないと言えば見えない。デジタルにしてしまえば、確かに、永遠に残る可能性はある。だからこそ、私たちの生活の背景には、膨大なる情報が蓄積され続ける。空気や水のような物質とは違うが、これからは、私たちの営みから生まれた出来事や経験や知恵、それに加えて大昔なら考えられなかったが、気象や地殻変動の様子などもデータ化され、それが情報となってつながっていく。

 

情報とは概念でもあるが、なんか今のところ、煩わしさもある。

ひょんなことでITの仕事をするようになり、故に、情報に関しても人並み以上に関わってきて、今は、これからの人類にとって情報との関りがどうなるのか、とても関心がある。

 

 

以上