近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

個と組織の付き合い方は、ますます難しくなる

仕事をしていて、この30年ずっと意識にあり、腐心しているのが、個人と組織の付き合い方である。組織とは、色々あるが、今回は会社の組織を前提に考えていく。

ここで言う個人とは、会社組織の中の個人の話ではない。

世の中には、個人事業主をしていたり、個人でビジネス活動をしていたりする人は結構いる。

フリーランスという言い方もあるし、会社を名乗っていても、社長一人の会社も多い。

 

特に、シニア起業になると、お一人会社が多い。私も、シニアの方にはお一人起業をお勧め派である。会社を経営している私の立場としては、基本的には、自社の社員で構成する組織の責任者である。言うまでもなく、組織運営は重要で、幹部や社員のマネジメントから社員教育、動機付けなど、いつになっても、完璧な答えはなく、常に試行錯誤である。

こんな立場の中、同じような組織の責任者とは、結構ツーカーの中になることが多い。それは単純に言えば、同じ苦労や課題を背負っているからである。

一昔前は、個人で動いている人は、士業やコンサルタントなど、限られていたと思う。それだけ社会に柔軟性がなかったとも言えるし、企業と個人が交わることは今ほど多くなかったと思う。コロナ禍で一気に拍車がかかったが、多様な働き方がテレワークの進行とも定着しつつある。ダブルワークをしている人も多いし、それを志向する人も潜在的に沢山いる。

 

昔で言えば、副業の領域の仕事も、OKとする企業も増えてくる。この流れは、歓迎な部分と、心配な部分がある。特に、会社と言う組織に属していて、一方で、別の仕事は個人で動く。

なかなか、この二刀流は難しい。

 

単純に仕事をするだけだと良いが、仕事は様々な人との関係性の中にあるし、機密事項に関わることもある。この切り分けができる人がどれだけいるかという事だ。昔の日本の終身雇用、年功序列の組織運営は、今でこそ、批判対象にもなっているが、実際に機能していた当時は、すぐれた仕組みだったと思う。今の時代には、ミスマッチではあるが、一方で、個人と組織の境目が曖昧になって行く中では、これからの時代にマッチした組織運営を再構築しないといけない時期である。

 

今、世間でもジョブ型労働が話題になっている。テレワークの形態やダブルワークになってくると、ますます、仕事の成果を評価するのは、労働時間だけでは心もとない。一方で、成果をどう判断するかは、とても難解だ。

また、当該の仕事をするのに、自分の人的資産のリソースをどう活用するかは、外部からは判別のしようがない。厄介な問題である。それと表裏一体に情報セキュリティリスクが横たわる。

さらに言えば、会社から見たら、ある時は、社員。ある時は個人事業主として関わる必要も出てくる。

私自身もシニアの方を中心に個人で活動する方との付き合いも多い。

会社の責任者として動くと言うよりも、あくまでも個人として接することが多い。そうしないと、会話や波長がかみ合わなくなる。

 

それは、どっちがどうのこうのではなく、組織を運営する立場と、個人で活動する立場では気にすることや責任の範囲が違うからである。個人と組織が混在するビジネス活動が進展する中、今一度、どんな仕事スタイルや仕組みが必要なのかを試行錯誤していこうと思っている。

 

 

以上