近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

日本の中古車は世界で大人気

日本の製品は品質も良く丈夫で長持ち。

日本人の多くも分かっていることだろうと思うが、日本人の何倍もそれを実感して、活用している人は世界に沢山いる。

 

先日、日経新聞のある記事が目に留まった。

微笑ましくもあり、日本人として嬉しく思うニュースだ。

見出しには“中古軽トラ 米国走る”とある。燃費が良く小さくてかわいい。らしい。なるほど、軽トラをかわいいと思うのは、何事にもスケールが大きい米国的だと思う。

米国の輸入基準で、社歴25年以上でもOKということらしい。1990年代に造られた軽トラが、米国で大活躍。この記事には正直驚いた。

 

もちろん、日本の中古車が長持ちで、品質も良く、新興国などからは、大人気であることは、随分前から知っていた。それが先進国の米国でも大人気とある。日本の中古品は、随分前から様々なものが人気がある。工場の機械、船舶のエンジン、トラクター、医療機器、釣り道具、自転車、バイク、パソコン、スマホ・・。

 

もう25年ほど前、神戸三宮の行きつけの焼肉レストランの店員と仲良くなって、教えてもらったことが未だに脳裏に焼き付いている。彼は中東の人。日本でいると、日本の中古品が全部宝物に見える。なのに日本人は価値を見出していないと。

 

私もその頃は、リサイクル、リユースのビジネスに関わっていたので、感覚的には分かっていたが、海外の人から見たら、日本人の視点とは違う事に驚いたものだ。

実際、アジアやアフリカに行っても、沢山の日本の中古車に遭遇する。日本国内しか知らない日本人は、日本の車が20年も、25年も走り続けていることを知らない。見方を変えれば、それだけ丈夫で長持ちの物をすぐに使わなくなるのが日本の消費だ。

 

もちろん、これは、車に限ったことではない。一生で最大の買い物の住宅も利用年数は短い。次々と新商品が登場する日本では、どうしても、中古の価値は薄れる。これからもこの傾向は続くだろう。簡単に言えば、日本国内からの視点で見れば、企業は、次々と新しい商品を販売する。生活者がそれに飛びつく。そして使わなくなったもの大半は、新興国などで使われる。

 

一見、リユース、リサイクル市場がグローバルに形成されているからよいではないかと考える人もいる。もちろん、日本が使わなくなったものをどこかに捨てるよりはよっぽど良い。しかし、一方で、今は、SDGsも当たり前、サスティナブルなビジネス活動、私たちの生活が不可欠な時代。

 

こういう時代に、浪費する日本も考え方、生活様式を変えるべき時期に来ていると思う。シンプルに言えば、日本人も米国の軽トラの記事にあるように、もっと、中古を有効活用する生活スタイルに変えるべきだと思う。

 

新興国などで使ってもらうのも良いが、その前に日本人が使えるものは最後まで使う。単純に言えば、新興国から見た宝の山が日本から生まれてこなくなる?それで良いと思う。

いくら、日本の商品や製品が中古でも人気があるからと言って、それを見越して製造販売している訳ではない。そのうち、どの国も、中古を必要としなくなる時が来る。

その前に、日本人が昔得意だった“もったいない文化”を日本人の哲学として継承していきたいものである。

 

 

以上