近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

セールス現場に遭遇して想ったこと

先日、ちょっとした人気の喫茶店で食事していた時の事。隣の席で男性二人が、パソコンを前に、熱く語り合っている。

何気に、耳に入って来た会話によると、どうも営業商談現場のようだった。

もちろん、ずっとは聞き耳を立てたわけではないが、断片的に営業のクロージングの真っ最中だと分かった。お客さん候補は、お店をオープンするようだ。それに対して、販売活動の支援をするという感じだと思う。もちろん、具体的な内容は書くことはできないが、久しぶりのシーンに色々と想いは巡る。

 

考えてみたら、コロナ禍でこういうセールスは、しばらく行われていなかったと思う。喫茶店で営業シーンは、コロナ禍前までは、BtoCでは定番だった。またBtoBにしても、100%営業ではなくても、喫茶店で商談は当たり前だった。

 

今は、オンラインでの営業も浸透しつつある。オンラインと直接の対面を組み合わせた方法も利便性は良い。営業のやり方は、ますます、多様になって行くことだろうと考えている中で、とてもオーソドックスな営業スタイル、私のビジネス体験からしても、とても懐かしかった次第である。

 

ところで、営業という職種ってどうなんだろうか?と考えてみる。

営業は人間力が決めてだというのは常識のように言われる。ただ、これを言ってしまえば、どんな仕事でも人間力が評価されない仕事はないとしたら、営業だけに言及することでもない。

 

言い方を変えれば、人間力が必要のない仕事が世の中にあるのかということになる。ただ、営業と言うのは、プレッシャーが高い仕事と言える。なぜなら、一見結果オーライで、受注しないと成果ゼロという考えに近い販売系の会社もいまだに世の中に多い。

ただ、これが一概に間違っているとは言えない。少なくとも、営業のコストというのは、間接費で、いわゆる販管費一般管理費及び販売費)の販売費にあたる。商売が成立しないと、普通に考えて、この販売費は捻出できない。

だから、受注を営業が取ると言うのは、最大のミッションであることは疑う余地はない。

 

ただ、営業職も変わりつつある。

今のプロ野球のように、先発ピッチャーが完投する時代ではなく、継投策の時代だ。私は、随分前から、営業活動においては、こういう継投策を主に考えている。つまり、きっかけ創り、フォロー、クロージングとしている。これが当社の営業活動の根本的な考えだし、企業に対して、営業力強化支援などのサービスを提供するときの基本的な考え方である。

 

実際、当社はこういう活動で経営をしている。この時に重要なのは、継投するための仕組みが必要で、ITによる情報共有化は言うまでもなく、しっかりとしたプロセス管理と評価の仕組みが重要となってくる。

つまり、きっかけも、フォローも、クロージングもどれも重要で、野球で言えば、先発も中継ぎもクローザーもそれぞれの評価指標があるということになる。

当然、適性と言うものもある。昭和の時代の営業のイメージは、猛烈サラリーマン。先発完投型である。しかし今は、継投型スタイルが、ニーズが絶えず変化し多様な顧客対応には適切だと考えている。

そうすると、今度は、先発に向くのか中継ぎかクローザーということになるが、一番難しいのは、やはり、顧客との信頼関係を醸成するフォロー(野球で言えば中継ぎ)だと思っている。

中継ぎは、必ずしも、顧客と直接対峙する人だけのことではない。これこそ、アシスタント的な人も含めたチームで対応できることである。

 

喫茶室で遭遇した熱き若手営業パーソンは、おそらくは、先発完投型だったと思う。今の時代の先発完投型も貴重な存在ではある。私にとって、両立できると組織は強くなると再認識の機会になった。

 

 

以上