近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

林業との関りが一気に深まって来た日々

平野部出身の私には、長い間、林業は縁遠かった。私の実家は、徳島平野を流れる吉野川の河口で、農村だった。

近くでは、漁業もおこなっている人がいたが、漁村ではない。周囲には全く山がなかったので、小学校や中学校で林間学校に行くときや、たまに山に家族で遊びに行ったぐらいしか縁がなかった。

 

そんな環境で生まれ育った私は、山か海のどっちが好きですか?と聞かれる度に、迷いなく海ですと返事していた。

今でも、正直、海辺で佇んだり波を眺めていたりするのが、自分の原点に帰れるようで、とても居心地が良い。

長い間、神戸の都会で住んでいると、自然が恋しくなるし触れたくなる。そんな時は、私も山に出かけることが時々ある。紅葉であったり、森林浴であったり。神戸には六甲山と言う山があり、頂上は牧場や公園など、レジャーを楽しむにはとても充実した環境だ。学生の頃は、スキーをしていたので、冬山にはよく出かけた。

そういう意味では、山との関りはレジャーやスポーツだけだった。

 

私のルーツの農業に関しては、新興国ベトナムでの活動の中で、10数年前に、農業に関わることに決めた。日本の農業問題もそうだが、新興国の農業の問題の方がもっと切実だ。農村=貧困層という時期で、日本の戦前感覚の地方の村も沢山あった。

あれから、10数年、ベトナムの経済も成長スピードが高まっている。そした、私たちも、新興国だけではなく、日本の農業へのかかわりが深くなってきた。

日本の農業は、自然に恵まれているが、中山間部や山間部の農業もかなり多い。つまり、農業するには、条件が適地ではなく、中々大変な労力のかかる場所いうことだ。高齢化の波に押されて、こういう農村はどんどん消えていく。限界集落の問題などは、特に切実だ。

 

実は、それ以上に深刻なのが林業である。

本の森林資源は、戦後の植林のおかげで、とても豊かである。

森林資源の循環を考えて、適度に国産材を利用していれば、今のような問題は生じなかったのだが、木造の建築資材にしても海外からの輸入にシフトしていった。どんどん、日本の木が使われなくなった。

そして、森林資源が放置されたままで今に至る。林野庁も国産の木の活用を促進するための政策や活動を多く行っている。ウッドチェンジという、国民に国産の木を使った生活に変えてもらう運動も行っている。だが、如何せん、一度、出来上がった今の生活基盤や環境を変えるのはそんな簡単な事ではない。

 

実は、3年前、自然産業研究所という会社に関わってから、第一次産業としての林業の課題も知ることになった。

もともと、建築ビジネスをしてきたので、この視点からの環境問題の解決に関する取り組みも始めようと思っていたところだった。

そして、ここ最近、林業や国産材を使ったビジネスをする人達との縁が次々とできてきた。

 

 

どんな世界もそうなのだが、知らないから、無関心になる。それがひとたび知ってしまえば、日本にとって深刻な課題の一つと気づく。

そして、その次の行動が大切だ。

 

農業も個性的なのだが、林業や国産材の活用に関わる人もとてもこだわり派が多い。その人たちがされている活動は、社会貢献の要素がとても多い。こういう活動をされている人の、情報発信はとても大切だ。おかげさまで、私も自然を語るのに森林を抜きにしてはありえないと再認識しているところである。

 

そもそも、気を使った生活は、とても健康にも良い。都会の真ん中にも気を使う場所や機会を増やすことは幾らでも可能だ。地産地消の原点に立ち返れば、国産材を活用するのはとても自然の流れであると思う。

 

以上