近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

シニアになる前の私たちの役割と責任

高齢化社会の問題を論じる時に、避けて通れないのが年金問題である。

年金制度の原点は、今働いている人が、もう働かなくなったシニアの生活資金を支える話である。また、自分自身の将来のためでもある。

自分が働かなくなったときに、その時に働いている人に支えてもらう。勘違いしている人がまだ日本にいるが、自分が将来に貯蓄している話とは違う。

それがあるとすれば、個人の貯蓄か所属した会社の制度によることになる。したがって、人口減少に転じている日本では、すでにこの制度は成り立っていないのである。この先、日本の年金制度をどう改革するかは、有識者や政治家が方向性を出すとして、今の高齢化社会そのものの課題解決について、まだ、シニアになっていない私たちの役割は何だろうかを考えてみる。

 

もちろん、まだ、シニアになっていない人たちは世代によっても意識や切実感は違う。

例えば、50代にもなると、次は自分達だという意識が高い。私の周りにもシニアになった時のための準備を始めている人は多い。中には、一生遊べるぐらいの蓄えをすでに終わっている人もたまにいる。

 

私と言えば、決してその日暮らしてはないが、健康でさえいれば生活に不安はないが、高齢化社会行く先には、課題だらけだと言う危機感はある。

これが20代ぐらいになると、私自身のそのころを振り返っても、大体想像はつく。

今のように高齢化は実際には進展していなかったので、社会全体には楽観論が支配していたと思う。それに加えて、20代から見れば、よっぽど身近に深刻な問題を抱えたシニアがいない限りは、結局は他人事である。

 

自分自身で考えたら、数十年先の心配をして、あるいはその準備をして生きる人はまずいない。それこそ、人生を楽しめなくなる。

いくら備えあれば患いなしと言っても、遠い先過ぎるわけである。こんな風に、世代によっても違うし、シニアと同居しているか否かでも高齢化社会の問題認識は違ってくる。

 

そう考えると、シニアの世界そのものも多様だし、千差万別であるが、これからシニアになる人達は、もっと多様だし、自分事のようにすでに認識している人もいれば、全く別世界。もしかしたら、日本ではない別の国のことだと思っている人もいると思う。

 

シニアライフファースト社会の創造を推進する意義はそこにある。

今、シニアでない人は、極端に言えば、今、自分の問題としては困っていない。困っているのは、今、シニアの人とその深い関係の人である。それはやはり、家族だろう。

 

すでに書いたが、今は一般的な話しとして、シニアとシニアでない人の生活が昔に比べると距離が出来てきた。つまり、シニアの生活の実情が見えなくなった。だから、気にもかけないし、問題意識も薄れる。

そういう意味で、まずは見える化が必要である。それは、小さい頃からの教育の問題でもある。高齢化社会の実情を小学校低学年ぐらいから教える。これは今、地球規模の課題である、環境問題と似ている。

環境問題よりも高齢化社会の方が、私達日本人にとっては切実に感じられるテーマである。DX時代の恩恵のひとつになるだろう見える化が重要なのである。

情報ギャップをなくして、様々な人がつながっていくことによって、高齢化社会の実情と問題が見えるようになっていく。

 

もう一つは、やはり、自分の将来のために今を改革するという強い気持ちだろう。今だけ良くても、未来が悪くなることが分かっていれば、少しでも先のための活動意識が芽生えてくる。

教育や見える化とセットになるが、現状が分かってくる。自分の将来については、不安がよぎる。だから、社会を変えていく。こんなシニアライフファース活動が推進できれば幸いである。

 

 

 

 

 

以上