近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

グランドデザインとアーキテクチャーを軸に

私はグランドデザインという言葉が、とても好きだ。

この言葉に最初に触れたのは、セコムの創業者の飯田さんの書籍。

創業したばかりの頃、会社経営については全くの素人の私。

身近な人を頼りに経営のてがかりも必死で探したが、同時に気に入った経営者の本もそれなりに読んだ。この時期に一番印象に残っているのが、飯田さんだ。

事業創造にはグランドデザインが必要だという話であるが、とても刺激を受けたのを昨日のことのように覚えている。

 

創業したばかりの頃は、どうしても目の前のことに必死にならざるを得ない。だからこそ、10年先、20年先の目標や実現したいことをしっかりと見据えていようと思っていた。

今振り返って、その当時に考えていたことが実現できたかどうかは微妙だが、今でも変わらずグランドデザインという考えは、とても気に入っている。

 

ちなみに、ウィキペディアで調べると以下のようになる。

 

グランドデザインあるいは全体構想(ぜんたいこうそう、英: grand design)とは、理想の上で大枠の合意であり、事業などが計画される場合に、それが壮大な図案や設計であって、また長期間にわたって遂行されるようなもののことを言う。 政策や経営が行われる場合に使われている言葉である。

 

コロナ禍で大きく世の中が変わっている。

こういう時こそ、グランドデザインが必要なのではと思う。

土台とも基盤とも言えるし、ブレない自分の主義主張を持つ。こういうことが包含されていると考えている。

 

もうひとつ、私が常に意識しているのは、アーキテクチャーだ。最近はビジネス界でもアーキテクト思考が流行っている。

私が建築出身だから余計にそう思うのだが、直訳すれば建築物の構造や骨組みという事である。会社経営にしても私はアーキテクチャーがとても重要だと思っている。

 

また、IT業界でもアーキテクチャーと言う言葉はよく使われるが、長年、ITをやってきて思うのだが、どうも建築業界で言うそれとはだいぶ違うと思っている。

今の私なりの解釈は、アーキテクト思考と言うのは、言い方を変えれば抽象思考に近いと思う。抽象思考の反対が具体的思考だが、今までは、ITの世界でシステムを構築するのは、具体的思考の領域を出ることは少ないと思う。

 

もっと言えば、社会をよくするとか、環境問題を解決するとか、目の前のビジネスを超えた構想力や良き社会のイメージ力、こういうものがIT業界に必要なアーキテクト思考だと思う。

 

加えて言うと、最近、DXブームである中で、これからは、ITやDXを語る中に、当たり前にアーキテクチャーやグランドデザインが必要であるという事だ。

どうしても今のIT業界のバズワードの中に紛れ込むと、ちょっと軽い言葉の印象が広がってしまいそうで心配だ。

 

話題は急に変わるが、戦国武将で考えても面白い。結果論とも言えなくはないが、少なくとも私が知っている徳川家康には、グランドデザインとアーキテクチャーがしっかりしていたのではないだろうかと思う。

あの時代に250年も幕府が続いたのは、以前から凄いことだと思っているが、士農工商の階級制度や参勤交代のしくみも有名な話だし、そもそも、鎖国を実行したことによって、列強各国からの支配を逃れたのは間違いない。

日本国内だけではなく、グローバルな視点からの政権運営だったのは疑う余地はない。

 

本来のグランドデザインやアーキテクチャーの考え方は、ITをどう活用するかと言った現場レベルの話だけでなく、地球の健全化にどう資するか、あるいは、世界が一つになって人類が豊かに暮らせるためのIT活用は何かといった視点が必要だと思っている。

 

私自身も、今一度、自分自身のグランドデザインを見直し、アーキテクチャーを再構築しようと思う。

 

 

以上