近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

はっきり言えないことの仕事のロス

私ぐらいの年齢になると、生まれ持った性格はつくづく変わらないと自覚が出来てくる。

もっとも、個人差があるだろうし、そもそも、自分の生まれ持った性格は未だに完璧には分からないが。

 

生まれ持った性格で、はっきり言える人が世の中にどれだけいるか分からないが、少なくともズケズケ言うタイプは、子供の頃から今まで何人にも遭遇してきた。

また、私には縁がないが、鈍感力という言い方で、おおらかな人のことを表現することもよく耳にする。まあ、人の性格は千差万別であるとつくづく思う。

 

実に多様である人の性分の中で、仕事の力量と一番相関がある一つとして、はっきり言うことが出来るかはとても重要だと、最近、再認識しているところだ。

 

では、そもそも、はっきり言う相手は誰であるかだが。

まずは、一般的な社会人の立場で考えてみる。

相手を上司、同僚、部下と単純化すると、流石に、部下にはっきり言うという話題は稀だ。仮に部下にはっきり言う事が苦手であれば上司にはなれないからだ。

 

では、上司に対してはっきり言うのはどうだろうか?これを難しく思う人も多いだろうが、実は結構簡単だ。私は20代半ばぐらいからは、意識的に上司にはっきり言う事を心がけていた。練習と言ったらお叱りを受けそうだが、上司なら受け止めて当然と思っていた。

 

もちろん、後になって振り返ると、反省は多々ある。若気の至りだ。

無知で視野が狭い中で、あるいは自分の思い込みで言ってしまったことは数えきれなくあるが、その時の実践が今でも生きている。

結局、自分が保身になったり、忖度したりしようと思うと、はっきりは言えなくなる。

 

私もかれこれ40年近く、はっきりいう事を習慣化しているが、だんだんと、今ぐらいになると、ストレートに貫くのは難しい領域になってくる。

それは言い過ぎの人になってしまうからだ。

だから、どちらかと言うと、昔ならストレートにすぐに言っていたことでも、一晩考えることが多くなった。

考えると言っても、目が覚めて1日たって、その時にどう思うかを大事にするようになったということだ。

これはアンガーマネジメントとも似ている部分である。少し冷静になって考えることが出来る状態を作るということだと思って実践している。

もともと、私は即断即決型で通しているが、それは、その時に浮かんだことで、次の行動が決まっているようなものである。だから、ワンテンポ置く事の大切さがある。

 

次の話として、社外の人にはっきり言えるかどうかであるが、苦手な人もいるが、これは意外と簡単だ。

例えば、営業のクロージング、トラブル対応で主張するときはする、他人の集まりで自分の意見を述べるとき、外注の会社に納期厳守を強く求めるとき、実に色々とある。こういう類は、言った後結果がどうなるかを気にせず、言うべきことの事象だけとらえて実行できれば、それほど難しくない。

 

ところが、若いときや経験が浅いときは、やっぱり、言った後の結果を気にする。嫌われるのではないか?恥をかかないか?評価が下がるのでは?気になる事があれこれ頭をよぎる。

 

実は、そうではなくて、自分がはっきり言おうが言うまいが、どっちにしても時間は経過して、結果は出る。

関係する皆がはっきり言って、結論がはっきり出た方が仕事には好影響の事がほとんどである。

 

部下や周囲に仕事を依頼するときに、仕事の指示ではっきり言うのが苦手な人も多い。言い方を変えれば、デレゲーションが得意かどうかである。依頼する人に、どういうことを達成して欲しいかが明確であれば、それをストレートに伝えるのが基本である。

 

納期、期待するレベル、予算または作業工数、使えるリソースなどがあるが、これが人に依頼する時点で明確であれば、それをそのまま伝えるのがデレゲーションである。

もちろん、依頼する側の思惑と言うのも当然ある訳で、伝える内容の表現や強弱に変化はつくとして、素でデレケーションするときの、仕事の内容が明確であることが大前提での話である。

 

まあ、思い付きで書いてみたが、そもそも、はっきり言わないと、コミュニケーションでロスを生み、それがさらに広がっていくと、とんでもない仕事が行われることになるのである。

 

 

以上