近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

コロナ禍を体験して情報感度は高まった

コロナ禍も2年が過ぎた。

怪我の功名とはよく言ったものだか、世界を不安と混乱に陥れた災難も少し落ち着きが見えてきた。まさしく想定外の危機に遭遇したわけだが、私が真っ先に期待したのは、世界が一つになる事、そして、つながっているという実感を持つこと。

 

そうすれば、今の地球上の課題や多様で様々な困難な事も一つでも解決に向かうのではと考えた。

残念ながら、必ずしもそうはならず、むしろ、人間のエゴと醜さを露呈した部分も少なくない。しかし、光の方に目を向けると、オンライン活動が、課題はあるにしても、世界が体験することにより、人がつながる力の持つ価値や意味を認識できたと思う。

また、移動が制限されたことで、それまで当たり前だった日常の移動を見直すチャンスを得た。海外への渡航しかり、都市部への通勤電車、車の渋滞など、移動がなくても大丈夫という事もそうだが、より豊かに快適に生活したり仕事ができたりする事にも気づき始めた。

 

それは、例えば、日本の地方で働く事であったり、ダブルワークと称して、自然と近いところでの活動の実現であったり、新たな動きは沢山ある。

 

私は仕事柄、情報に関しては人一倍考えてきた。具体的に言うと、会社経営やビジネスの遂行においての情報活用についてである。

もちろん、この情報の定義そのものが曖昧で多様であるので、そもそもこの情報そのものを何度も定義しなおしている最中である。

 

働く人は生活者であるということにだれも異論はないと思う。

仕事をしている自分もプライベートで活動している自分も同じ人間なのである。心身ともに健康であれば、仕事も生活も概ね順調である。

 

世の中に情報が洪水のように溢れているのは今に始まったことではない。

ITとメディアが相まって、日増しに情報量は増えている。発信する人の数が増えるとともに、伝わる範囲が、一気に世界になったとも言える。

 

一方で、人間が情報を処理できる能力は、ほとんど向上していない。そもそも、向上はできないのではないかと私は思っている。例えば、人間が走るのには限界がある。陸上競技が分かりやすいが、100メートルを5秒で走る時代は来ないだろう。しかし、道具を使えば、瞬間移動は無理にしても、100メートルを5秒で移動することは可能だろう。

 

こんな風に情報を扱う事を考えると、ここから先は、やはり、ITや新メディアなどの道具を上手に駆使して情報を扱わないと、何のために科学技術を進化させ、人間が処理できる能力を超えた情報を集めたり伝えたりする社会を構築したかの意味がなくなるだろう。

 

では、これから先は、RPIやAI、あるいはロボットなどが自分の代わりに世界から、自分に必要な情報を集めてくる時代。こんな時代はもうすぐに来ている。

コロナ禍の体験の話に戻るが、コロナ禍に直接関係する情報から始まって、ありとあらゆる情報が溢れていることに気づいた。一時期、インフォデミックとしてメディアの話題にもなった。

 

私はコロナ禍体験のプラスの効果の一つに、情報に対する感度が高まったことを挙げたい。感覚的にも、このままほっておいたら、大変なことになる。情報社会はバラ色の話ではない。

 

情報セキュリティの問題と相まって、人間が生み出した情報社会にいかに人間が適応するか、そして、本当に人間らしさを失わず、人類が今後も活動するための私たちの情報感度はどう磨けばよいのか?

ビヨンドコロナでは一人一人が意識して、適応する必要がある。

 

以上