近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

囲い込みの時代の窮屈な生活者

ビジネスホテルでのチェックイン。

最近、結構煩わしい。

コロナ禍前は、そう気にならなかった。

これは、日本のビシネスホテルでの話だ。

 

以前は、海外を動き回っていたので、新興国の地方でのホテル利用は結構大変だった。予約が出来ていなかったり、空いているはずの部屋が埋まっていたり。まあ、日本で言えば、数十年前の感覚だから、仕方がない。ある意味馴染んでいた。

 

ところが、最近、便利過ぎる日本で、ビジネスホテルを利用するのが、結構面倒くさいことに改めて気づいた。

先日、地方都市の行きつけのホテルに泊まった。

私が悪いのだが、ホテルの会員カードを持っていない。たまたま忘れたのではなく、何種類かのカードを持っているが、財布が膨らむので、入れないことにした。コロナ禍になって国内でいることが増えたからでもある。

 

先日もこんなやりとりがあった。

会員様ですか?

はい。

カードをお持ちですか?

今は持っていません。家です。

では、お客様情報をご記入お願いします。

 

てっきり、いつも通りの紙に記入するものかと思えば、タブレットを渡された。そこに、入力してくださいだった。

私は、思わず、毎回、入力しないといけないのですか?と聞いた。

はい。カードをお持ちでないので・・・。

 

実は、ご存知の方も多いが、今どきは、スマホで会員証の代わりができる時代だ。このホテルも以前からそうなっていた。面倒くさいので、しなかった私が悪いのだが、それを言い出したら、他のホテルも全部しないといけない。

ところが、当たり前のように足並みがそろっていない。

競争の中で顧客獲得をしているので、自社の顧客の囲い込みの目的だけで、こういうIT活用が進んでいく。こういうことは、枚挙に暇がない。

どこもかしこも、ポイントカードなどと称して、顧客の囲い込みのオンパレード。

まあ、この話は、何度もこのブログでも書いているが、人口が減る国では必然的にそうなる。

 

先進国で便利な国の日本は、実際に生活者として過ごしてみると、とても窮屈でストレスが溜まる生活環境であるとも言える。

その解決方法を考えてみる。

先ほどのホテル。要するに、特定のホテル側と利害が一致するとすれば、自分が利用するホテルは一つに決める。そうすると、お互いが満足できる方向に近づく。

 

ところが、良く考えたらわかるが、全国どこにでもあるホテルはまずない。そうすると結局、複数のホテルを利用することになる。

ここで、生活者の利便性を優先して考えてみる。解は簡単だ。日本全国ホテルサービス統一カードがあればよい。全体最適の話だ。

 

ところが、お分かりのように、こういうことはまず進まない。そもそも、誰がそういう仕組みを運営するのか?国ではない。自治体でもない。民間がやればよいが、そうするとまた、同じ顧客の囲い込みが起り、共通カードの乱立となる。

 

電車のICカードを見てみれば、すぐに分かる事である。私は移動も多いので、一つのカードで全ての乗り物を利用したい。

今はDX時代。技術的、仕組み的にはできる。

ところが、人間と言うのはそう簡単に合理的な方向には変わらない。

しばらくは、私達生活者の不便と不快感はなくならないと思う。残念な事ではあるが・・・。

 

以上