近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

シニアのチャレンジは難しいものなのか?

人生において、人が皆、常にチャレンジしているわけではない。男女差もあるし、人生の歩み方によっても相当個人差がある。

また、そもそも、その人の性格や置かれている立場によってもチャレンジするかしないか、あるいはしたいと思っても踏みとどまる、など、とても難しい判断が伴う。

 

一般的に、シニアの方がチャレンジ精神旺盛でもなかなか実行に移すのは容易ではない。

私が今お付き合いしているシニアは、ビジネスとの関係性が深い方が多い。そもそも、現役の経営者であったり、引退はしているが生粋の創業社長であったりすることが多く、日々感心することは、お幾つになってもチャレンジ精神旺盛であることだ。

いつまで現役のおつもりですか?

と聞こうものならお叱りを受けそうなぐらいポジティブで前向きである。

 

人が何かにチャレンジする時には、失敗は付き物である。初めから確実に成功する道や方法を百戦錬磨のシニアになれば、選択することも可能だが、それはチャレンジとは言わない。

 

シニアに限らず、チャレンジする時には、リターンマッチを考えておかないといけない。

つまり、失敗してもただでは転ばない、ということである。

シニアの人生と経営者の人生を重ねることは、ちょっと極端すぎるとは思うが、リスクテイクということを考えるとしたら似たようなものだ。

 

私も30年近く会社経営に関わってきて、年齢は60歳寸前である。30歳で創業した時よりは視界は開けているし経験も積んでいる。そして、経営者としたら、まだ10年ぐらいは新しいことにトライする意欲は満々だ。

一方、私の年齢でも一般的な会社員的な尺度で言えば、定年か定年延長かを迷う年であり、ある程度保守的な安全運転を指向するのは自然の姿と言える。

 

シニアになると、残りの人生で失敗したらどうなるかは切実な問題である。

特に軍資金が必要な場合、慎重に考えておく必要がある。これは起業するという話でなくても重要なポイントである。

 

実際、誰にとっても残りの人生の長さは、本人の期待値はあっても結果は分からない。人生が想定よりも長くなるとしたら、生活費などの心配が先に立つ。そういうこととの兼ね合いの中で、余裕の資金がどれだけあるかということになり、ある程度貯えがあれば、その範囲で、仮に失敗したとしても、ゴールまでの人生設計に影響はない。

 

もちろん、チャレンジすることに全て資金が必要な訳ではない。

だが、全くお金のかからない方法を見つけるのは難しい。単純に考えて、仕事一辺倒で、地域のコミュニティとのかかわりを一切持たずに過ごしてきて、そこから社会貢献、地域貢献することはある意味チャレンジと言えよう。

 

また、現役の間は、ゴルフに明け暮れたが、お金の節約もかねて、ゴルフの頻度は落としたうえで、水泳を日課にする。これもリーズナブルに出来る事である。

チャレンジというと一か八かの印象がついて回るが、シニアのチャレンジは、取り返す時間、やり直す時間が若い頃に比べたら少ない。

 

だからこそ、失敗も良しとできる範囲で、人生の痛手にならない範囲でのチャレンジはデキるだけ多くするのが良いのではと思う。

特に好奇心が強い人が、チャレンジを止めてしまうと、それが原因でストレスにもなる。また、アクティブシニアだけの話ではなく、体が不自由になった人も、今のDX社会が浸透していくにつれ、オンラインなどを上手に使ってのチャレンジも考えられる。

 

私もよく引き合いに出すが、江戸時代に日本地図を50歳越えてから作った伊能忠敬の話は有名だ。何かを始めるのに遅すぎるという事はないのである。

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以上