近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ライフシフト時代のシニアの役割を考える

数年前からライフシフトブームだ。

ライフシフトは働いている人達の間では結構一般化された。最大の理由は、"ライフシフト"という本が発刊されて話題になったことだ。

 

 

これは、英国の著者の本であり、この本の事例は英国社会の内容になっている。だから、日本人が見てもピンとこない事例も多いのだが、このタイトルだけではなく、中身は身につまされる。

私が手に取った理由は、シニアの世界に関心があったからと言うよりは、働き方が日本においても劇的に変わっている実感があったからだ。

 

そういう関心の中で、日本以外の働き方にもアンテナを張っているつもりだ。よく、欧米の方が日本より働き方やQOLにおいては先進的な事例が日本に紹介されている。

 

他人の芝生は青く見える部分が多分にあると思っている私としては、日本にも良いところが沢山あると思っている。

国同士の競争意識やうらやましがる中での優劣でなく、それぞれの国の環境の違い、生き方の違い、こういう多様なのが地球の人であり、こういうことを知ることによって、良いところは取り入れる。それぞれの国や地域の活かすべきところはそれを尊重する。

それが良い意味での多様性、流行言葉で言えば、ダイバーシティと考えているので、こういう類の本にはことさら関心があるのである。

 

実際に、この本の対象は、今現役の働いている人であろうと思う。日本だけでなく世界は長寿化の傾向にある。そういう意味では、20年、30年前に思い描いていたライフプランは必然的に変わる。これは世界の他の先進国でも同じである。

 

一つのことだけをして働く人生を終える選択も未だにあるが、こういう変化が激しくて連続的に進化する時代には、なかなか、困難な道と言わざるを得ない。

そういう意味では、できるだけ早い準備が大切で、今の時代は、社会人になる前から、ライフシフトの時代であるという認識が大切だと思う。また働きだしてからは、常にライフシフトするための準備をすると言うよりも、何をするにしても、ライフシフトに適応できるスキルを身に付けるのが良い。今と先のことを同時にする。

 

詳細は、他の未来の書籍に譲るが、これが現代に基本スキルであるのは言うまでもない。

では、今のシニアがライフシフト時代にどうすればよいかという事になる。

 

一つは、自分自身が今65歳で、これから10年、15年働こうと思えば、今までのことの延長線上で考えるのではなく、何か新たなるトライを考えたいところだ。もちろん、失敗の度合いは勘案しないといけない。若いころと違って、取り返しのつかない失敗は避けたい。

 

もう一つの役割は、これからシニアになる人達のために、ライフシフトできるようになるためのスキルのお手本を目指すと良いと思う。

すでに、アクティブシニアとして大活躍の方々の中にヒントは沢山ある。こういう方々は、一朝一夕に身に付けたわけではない。

 

実に多様で、一概には言えないが、やはり、常に前向きである。そして、社会的貢献の意識も強いし、後世や子孫のための貢献と言う想いも強い。こういう部分を磨く、若い頃から仕事の合間にでも関心をもって、実際に活動していく。

 

それが長年積みあがっていくと、今どきは悪く揶揄されることも多くなったが、単純な“仕事人間”にはならない。

 

要するに、生計を立てるためだけの働き方から、人生を満喫するための働き方へチェンジする。

私はライフシフトの本質はそこにあると思っている。

だからこそ今はとても良い時代になりつつあるのである。

仮に、今務めている会社で優秀な成績でなくても、それはそれで根気よく続ける。一方で、セカンドワークや週末の時間を活かして、稼ぐための働きではなく、将来の自分への投資につながるような活動をする。こういうことが大切なことの一つであると私は思っている。

 

以上