近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

情報活用における醸成するとはどういうことか?

人間は何らかの情報を頼りに生きている。

これは仕事だけに限らない。

よっぽどの田舎で暮らさない限り今の日本で活動していると、毎日のように生活や仕事に必要な情報は収集することが習慣になっている。

 

しかも、自分たちの周りの情報量は増えるばかりである。仕事の世界では、情報は目的を考えて収集するというのが基本になっている。

例えば、東京でラーメン屋を始めようと思えば、最初に思いつくことが幾つかある。

初めてラーメン屋を経営するのであれば、飲食店経営のやり方を知ろうとするだろう。

まずは本屋に行って、飲食店の始め方のような本を探しても良い。もちろん、Amazonなどで検索するのも良い。今どきであれば、ネットで飲食店の経営と入力してみると、これだけで十分な情報量がある。

最近は、YouTubeなどの動画も充実している。見方を変えれば、無料かリーズナブルなコストで十分な情報が見つけられる時代である。

 

また、並行して、出店予定場所の近隣のライバル店調査も重要だ。これもネットで検索すれば、網羅的に一気に見つけることが出来る。目ぼしいところに試食に出かけるのがオーソドックスだろう。そこで得た情報もラーメン店舗経営にはとても役立つ。 

当然、ラーメン店専用の設計・施工も必要だ。知り合いが最初からいれば楽だが、普通はネットなどで施工業者を探すことになる。

複数の業者を見つけて、今ときであれば、ネットである程度の見積もりもできたりもする。あとはアルバイトの募集もある。一昔前に比べるとこういう情報を集めることは比較的楽になって来た。

 

ラーメン屋のオープンにあたっての、情報の活用を整理してみると、概ね以下のようなプロセスになる。

収集->共有->醸成->活用。

集めた情報をより有効に活用しようと思えば、まずは、しかるべき人に共有する。例えば、経営を相談できる人に、収集した情報を相談する。そうすると、アドバイスをもらえたり関連する情報を肉付けしてもらえることもある。

3人寄れば文殊の知恵である。一人で情報を集めるよりも、複数の人から収集して更に質の高い情報に育てることが出来る。

また、醸成とは考えることでもある。集めた情報を頼りにああでもないこうでもないと考えると、より精度の高い有益な情報に昇華する可能性がある。

 

実は、この情報活用のプロセスは約20年前に、私がビジネス活動する中で、定義したプロセスである。世は、これから企業の情報共有化を推進していこうという時代であった。

単純に考えると、収集->共有->活用でも不備がある訳ではない。

ただ、情報にはゴミが混ざることが多い。特に今のような時代は、どれが事実か分からないような情報も沢山世の中に溢れている。精度や純度を高めるためには、第三者視点も必要だし、自分一人では見落としているような情報も醸成によって新たに見つけられる可能性がある。

 

例えば、新聞にある新規事業の記事を見つけた時を考える。それをそのまま仕事や経営判断に使うことも決して間違いではないが、少なくともそれは精度が高くない情報として扱わないといけない。実際のところは、新聞記事とはかなり違っているかもしれない。

 

メディアというのは、発信者の意図があるので、そのあたりをしっかりと把握しないといけない。先ほどのプロセスに当てはめて考えると、新聞記事の収集->共有する。ここで、当該記事の内容に精通していなくても、メディアの活用についてスキルがある人であれば、その情報の判断の仕方についてアドバイスもらえる。

また、別の人が当該会社の他の情報を把握していることも考えられる。醸成は、収集した元情報に様々な有益な情報を加えたり混ぜたりすることで、更に精度を高める行いでもある。

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以上