近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

これからの学びのあり方を考える

いつの時代も学びは大切である。教育のあり方は常に時代の変化とともに試行錯誤を繰り返している。そういう意味では、今まさに、教育の大きな変革の時期にあると思う。

 

最近は義務教育の内容も大きく変わってきた。今は、小学校で英語やプログラミングという新種の科目も取り入れられた。グローバル化とデジタル社会への適応という意味では、今まさに旬の教育のテーマとも言える。

また、STEMAというテーマの教育も最近は話題に上ることが多い。もともとは、STEMであり、それにArtのAを加える考え方である。

文科省のホームページから引用する。

 

文部科学省では、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲でAを定義し、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しています。

 

こちらも、科学技術の目覚ましい発展の中、イノベーション創出のための人材育成という課題解決と相まって、高校や大学で取り組みが始まっている。最近では、私の時代は当たり前だった理系文系の区分すら問題視する声も多い。

 

そして、高齢化社会の中での人生100年時代に向けての生涯学習というロングスパンの教育がある。最近よく耳にするのが、リカレント教育である。

こちらは、日本のように学校を出てからずっと働き続けるのでは、社会の変化に適応できない、ある年齢になって新たなチャレンジをしようにも、その時に通用するスキルが身についていないといった問題が容易に推察される。

 

学びなおしを循環的にするという意味合いで、経済産業省文部科学省総務省など日本の各省庁のリカレント教育への取り組みも数多い。

いずれにしても、世の中の変化の中で、活躍できる人材の育成であったり、豊かな人生を快適に送るための教育であったりする。

 

私の子供の頃は、もちろん学校では色々と学んだことも多々あるが、それ以上に自然環境の中で、身近に農業という職業を通して、社会や働くということの原点を学んだ。

いわゆるモノづくりである。

 

日本は元来ものづくりが強みの国である。

今、新しい教育が試行錯誤も含めて取り組みが始まっているが、モノづくりに焦点を当てたものが少ないと思う。日本はもうモノづくりで経済発展は無理ではあると言うのは、もっともな部分もあるが、経済的なインパクトの話ではない。

 

そもそも、日本はこれだけ豊かな自然に恵まれた世界有数の国である。四季折々の中、独特の情緒あふれる文化も生み出してきた。こういう日本古来の良さが失われてきたこの数十年ではなかったかと思う。

これからの地球の大きな課題である環境問題やCO2の排出の問題にしても、健全な地球環境の必要性や価値が理解出来ていない人は沢山いる。 

 

日本には、とても恵まれた自然環境が至る所に残されている。そしてそういう場所では、例外なく第一産業が営まれている。これからの世界を考えた時、遅くとも21世紀の後半には、第一次産業を中心とした人間の営みが再構築され、その土台の上で、科学技術を享受した仕組みが連動するような姿が望まれる。

 

そういう先を見据えたときに、自然環境や第一次産業から離れてしまった人たちが、こういう環境の中で学べることは沢山ある。

私は昨年から本格的に農と農業の支援ビジネスに取り組んでいる。こういう活動の中で見えてきたのが、農業、とりわけ農業の土台にある農は、産業と言う視点だけの役割だけでもなく、人間の命の根源であり、営みの土台であるということである。

 

もちろん、農は自然であるので癒し効果もある。文化(Culture)は耕すと言う言葉(Cultivate)が語源である。農も文化も耕すことから生まれる。こういった学びが不可欠な時代に来たと私は考えている。冒頭のSTEMAのAをAgricultureに当てはめてもとてもしっくりくる。

 

以上