近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

どうして日本人は遅れていることをそんなに気にするのか?

最近気になることがある。

私が活動している世界でも、日本は遅れていると言う話題や会話がやたらと多いと感じる。

 

何と比べて遅れているのかと言えば、それは外国だ。では、何をもって遅れているかと言えば、まちまちだ。

 

今一番、ホットなのがデジタル化だろう。

DXについては、私なりの考えは何度かこのブログで書いたが、世の中の一方向から見れば、日本のデジタル化は、先進国やデジタル新興国に比べて遅れているという訳だ。

 

デジタル新興国としてはエストニアが有名だ。私も3年ほど前に行って見たことがあるが、社会全体の雰囲気は、日本の方が大分進んでいると感じだ。書き出したらきりがないが、電子政府というのは、表現が新鮮な分、より進化的に見えるのだろう。

日本のデジタル化は、簡単に言えば、日本より遅れてていた国が進んで来ている。

これをリープフロッグだと表現する人も多いが、私はあまりそうとは思っていない。

 

そもそも、100年単位で見たら、遅れているか進んでいるかなど判別がつかない。1000年単位になると、全く変化も感じないだろう。

 

私の考えは、人間のすることを基本的には巡回型で考えている。

つまり、400メートルトラックをぐるぐる回っている感じだ。

 

 

世界の国も人間個人個人も一緒だ。ただ、人間には終わりがある。一方、国の終わりはめったに来ない。だから、同じ場所をぐるぐる回って、抜かれようが追い抜こうが、ゴールがあって順位をつけているのでなければ、先か後かは関係がない。

 

では、なぜ、遅れている議論が絶えないのか。

人は他人と比べたがる。これは国同士でも似たようなものだ。

戦後の高度経済成長が確実になった頃からを基点に考えれば、日本はこの期間、突出して進んでいただろう。だから、経済成長面では先進国と言われた。今もその恩恵で先進国である。だが、この期間は世の中はデジタル化時代ではなかった。

ITの前身のコンピュータは存在したが、用途は限定的であった。この部分でも日本は進んでいた。ところが、だんだんと新しいITの仕組みから乖離が出来てきた。

 

理由は簡単だ。そうする必要がなかったからだ。今でも日本は住みやすい便利な素晴らしい国だ。地方の過疎化などの問題は山積していても、良くできた国なのだ。

なのにIT活用から見たら、遅れているとなる。だが何度も言うが私はそうは思わない。

 

仮に、この先10年後に、日本が遅ればせながらデジタル社会に変わった時、どうなるだろうか?陸上のトラックを何周かすることになるが、日本はまたまた素晴らしい国と言われるのだろうか。

 

日本が遅れている分野は他にも沢山ある。福祉もそう、環境への配慮もそう、エネルギーもそう。何においても、お互い様だと思うし、お互いから学ぶことを基点にして、競争という意識を止めれば、一緒のトラックを後から来ようが先に行こうが関係ないと思う。

 

そんなことを日々考える中で、日本が余裕のあるうちに、少し先を行っているように思う、ヨーロッパには見習いたいと考えている。

一方で、経済圏で比べて、遅れている東南アジアの国やアフリカの新興国から学べることも多い。

 

そして、今は日本が高齢化社会の真っただ中。これをどうクリアするかは、世界も注目している。

企業間でもそうだが、自治体も競い合うのではなく、連携する時代だと私は思う。

 

こんなことを色々考えても、結局は国同士も、どこかが遅れている進んでいるではなく、1000年単位で考えて、お互いさまで学び合うと人類も平和になるように思う。

 

以上