近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

自分が自由にできる仕事のデッドラインをどうするか

デットラインという言葉をどれぐらいの人が使うだろうか?

日本語で言えば、仕事の納期や期限ということだが、私自身はなんとなく気分的に使い分けているだけで、日本語と英語の使い分けの判断はあいまいだ。

 

ただ、デットラインと言ったほうが、まだメジャーな一般用語でないだけに、ちょっとは緊張感が醸し出せる感はある。

 

いずれにしても、仕事の納期や期限を守ることは人間には難しい。

これは、人のマネジメントをする立場の私としてもそう思うし、自分自身が様々な期限をどうやって守ろうとしてきたかを考えてみても、やっぱり人間には大変なことなのだと思う。

 

そもそも、動物でもある人間だが、他の動物は人間のような期限はあるのだろうか?

少なくとも私は計画的に段取りして生きている動物は聞いたことがない。

多分、生きるために本能で狩りをしたり、寝たり、群れを作って移動したりするのだろう。気候や環境の変動にどう適応するかをあらかじめ段取りしているとは思えない。

 

では、人間が納期や期限を設定せず、自由気ままに活動したらどうなるだろうか?

誰でも断言できると思うが、少なくとも仕事は成立しない。納期や期限のない仕事はもはや仕事ではない。

ただ一般生活に関しては、なんとなく時間の経過とともに、動物的本能の中でやって行けるような気がする。しかし今のような社会の仕組みや生活インフラ自体も実に膨大な仕事の重ね合わせで成立している訳だから、結局、今の社会生活は崩壊すると思う。

 

こんなあり得もしないことを考えていると、やっぱり改めて、人間の今の生活基盤は納期や期限があるから成立していると考えても間違いではないと思える。

そういう意味でも、なにもそういうのがなかっただろう人類発祥の時代から、いつどこで誰が納期や期限を設定したのだろうか。

それはきっと農耕を始めた時のような気がする。季節の変化を感じながら、いつ畑を耕すのか?いつ種まきをするのか?収穫は目視できそうな気もするので成り行きかもしれないが、その食糧を保存するにはどうするか?こんなことを考えただけでも、今、現代人が行っている仕事のエッセンスは全部あるように思う。

 

何度考えても、現実的に人間が仕事の納期や期限を守るのは大変だと思う。

だからToDo管理やスケジュール管理が存在する。上司の部下に対するチェックも意味がある。PDCAなどは最たるものだ。

これから先は徹底してITに依存しながらの納期や期限管理に世の中は変わっていくことも容易に想定される。

もう随分前だが、ちょっとしたソフトウェアにはアラート機能の搭載があたり前になった。しかし人間は弱い。ITがアラートしていると知ってしまいその環境に慣れてしまうと、当たり前のようにアラートは無視できてしまう。

 

納期管理や期限管理をする人とされる人のせめぎ合いは永遠に続くのだろう。

人間とは奥が深いというか不思議な動物だとつくづく思う。

私は人間は怠け者である前提で、仕事を考える。

 

さて私の目指すところを最後に書いておきたい。

誰からも期限設定されることもなく、自分が好き勝手に期限設定をすることでもなく、誰が考えても妥当と思える期限を意識して、自発的に行動する。こんな理想形でありたい。

 

あり得ないようでいつかあり得る話だが、3年後に地球に小惑星が衝突することが分かった時どうするか。SF映画のような話だが、いつか起こり得る話しだ。 

少なくとも45億年後には太陽は爆発すると言われている。でもこれは話が遠すぎる。

 

では、現実的な話し。2050年を考えたらどうだろうか?とっくの昔に地球の限界は分かっている。これでも遠すぎるのだろうか?知らないだけなのだろうか?地球を健全に維持する、戻す努力をする時間はとっくの昔に期限設定されているのである。

果たして、目の前の仕事の納期や期限を守るのに四苦八苦している人間が地球の危機に対してこの先何ができるのだろうか?

私はできるだけ、自由裁量で自発的に納期を守る人間でいたいと思う。

 

以上