近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

日本のお土産とベトナムのお土産の違いから考える

ここ10年ぐらいだろうか。

日本の地方のどこにでかけても、お土産の種類が劇的に増えてきたのは。

特に、ご当地の食材を使ったお菓子類の種類の多さには驚く。しかも、次々と新商品が登場しているように思う。

 

実際、こういうところでのお土産を、私はそんなに買う頻度は高くはないが、定番の売れ筋商品はあるにしても、その他の入れ替わりは目まぐるしい。

 

私の感覚では、20年ぐらい前から、日本の地方のお土産に大きな工夫がみられるようになってきたと思う。

 

例えば、私は徳島出身だが、徳島の鳴門金時という有名ブランドのさつま芋のお菓子も一気に増えた。もともと、人気商品なので、無理にお菓子にしなくてもよいのにと思っていたが、どうも最近のお菓子ビジネスの戦略は、知名度も利用した食材を様々なお菓子にするパターンのように思う。

 

私が、ベトナムなどの新興国で活動してきて気になること一つに、お土産がある。

ちょっとした海外のお土産を日本の人にと思っていても、日本のように充実したお土産は全くないと言っても良い。

 

ベトナムも全国様々な特徴があるにしても、お土産はどこにいっても似たり寄ったりだ。

これは、私の世代ならよく分かるが、私たちの子供の頃、主食の方が中心で、副食のお菓子類の優先順位は低かったと思う。

 

もう10年近く前になるが、ベトナムの経営者から地方の特産の食材を活かしたお菓子を作りたい。小さくても良いので日本のお菓子メーカーと組みたいと相談を受けたことがある。

その時に、日本の地方のお土産としてのお菓子の書類の豊富さや特徴を説明したことがある。その経営者は興味津々だった。

 

とは言え、まだまだ、ベトナムはかつての日本と同じで、主食の充実が優先だった。

そういう意味では、ベトナムの地方の至る所の観光地にオリジナルなお土産が登場するのは10年先かもっと先かと思う。

 

こういう日本とベトナムのギャップを見ていて思うことは、必ずしも日本はベトナムの未来のお手本にはならないということである。

 

日本のように飽食になり過ぎて、なんでも自由にモノが変える国になり過ぎて、飽きるのも早い。だから、新商品開発のスピードが加速される。

 

話題は変わるが、出版不況と言われて久しいが、本を読む人が年々減ってきて、本の業界全体の売り上げはもう20年以上、右肩下がりだ。

その反面、書籍の出版点数は減るどころか増える傾向にある。

 

最近は、オンラインで書籍を買うようになってきたので、こういう状況には変化はあると思うが、それでも今でも全国に書店は沢山ある。

 

書店に行くと、次々と新刊が並ぶ。本は日本独特の再販制度と言う仕組みになっていて、基本的に書店は売れなかった本は、出版会社に返品する。

 

言い換えれば、売れた分だけの仕入れが発生するという仕組みだ。だがら、次月と出版会社は新刊を出す。なかなか売れない。点数だけが増える。

 

私の勝手な連想ではあるが、今の日本の地方のお土産ビジネスは、こういう出版ビジネスと同じような悪循環にハマっているように思う。

 

最近、地方を巡る機会も劇的に増えてきて、その度に、結局、生産者や加工メーカーにしわ寄せがいっているのではと、憂えているところである。

 

以上