近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

いまぐらいマネジメントが難しい時期はかつてなかった

今、組織でマネジメントする立場の人は大変だと思う。

コロナ禍で、ただでさえ社員の健康管理で神経をとがらせる必要がある中で、加えてテレワークもしないといけない。普段直接顔を合わせない中で、如何に上手に部下をマネジメントするか。

 

大企業も中小も自治体もあらゆる組織が四苦八苦、なかなかの難題だ。働く人皆の適応と進化が求められている。

 

そういう私にとっても正直、結構骨を折っている課題だ。私のマネジメント経験は約35年だ。それなりに自信は持ってはいたが、今回は今までとは違う。

 

20代の後半の会社員としての経験と創業してからの28年の経験になる。

会社員時代、新人から最初の3年間は私には部下はいなかった。そいう意味では、マネジメント経験は皆無。もっとも、この時期は駆け出しだから、こんなものだとは思うが、建設業界不況で新卒の後輩が入ってこなかったのだ。

 

20代後半になり、転職先でマネジメントの真似事が始まる。

最初の部下は中国人2人とマレーシア人3人。私のマネジメント経験の始まりだ。

 

今振り返ると、役職こそ課長だったが、組織のマネジメントのレベルに達していた訳ではなく、単純に新興国から来た5人の相談役であったり、生活をサポートしたりの役割が主だった。もちろん、仕事も教えてはいたが、私と彼らは同年代で、同僚と言う感じだ。

 

そして、転職した次の会社では、創業時から関わった。最初は数人で始まった会社が、2年ぐらいで30人になった。IT企業としては、このころの成長スピードはこんなものだった。

27歳課長職だった。あっという間に部下が10人ほどになった。部下との年齢差があまりなく、良いお兄ちゃんだったように思う。

たまには厳しくはしたが、もっぱら、相談役、調整役と言ったところだ。

 

31歳で創業してからが私の本気のマネジメントになったと思う。理由は簡単で、給料を支払う立場になったからだ。

この立場というのは、大企業のそれとは違う。なにせ創業したばかりはその日暮らしである。当月の給与の原資すらない。当然、社長の自分が稼ぐか資金のやりくりをするかだ。

 

もちろん、社員にも稼いでもらわないと困るが、駆け出しの社員ばっかりだったので、何から何まで面倒を見るしかないわけである。

そこから、私の本気のマネジメントが始まった。

色々な専門書も読み漁った。先輩経営者にも色々と訊ねた。

 

数年であっという間に社員が100名を超えたときは、すでに全体の掌握は出来ていなかった。後日振り返ると、反省だらけだった。

様々な失敗体験をして学んでいったことだが、最初は、数十人を一人で面倒見られると本気で確信していた時期もあったがそれは間違いだった。

経験で得たことは、頑張って10数人、平均的には、10人の部下を面倒みられれば御の字だと思う。

 

創業時は、私の年齢と部下の年齢は近かった。だから、とにかくよく飲みに行った。明け方まで大騒ぎした。会社の理念の共有や会社の方針を浸透するなど、そもそも固まっていなかったので、勢いだけだったと思う。そういう意味では、盲目になっていたところもある。

 

会社なので退職する社員がいるのは常だが、創業時は退職者が出る度に一喜一憂していたように思う。ただ、一方で勢いだけはあったので、走り続けた10年だった。

 

この時期のマネジメントで得たことは何か?

反省に立ち返ってみれば、やはり、質の高いコミュニケーションをもっとマメにできていたら・・と思うようになった。

 

仕事の方は、ITだけでなく社員教育も依頼が増えてきた。私は40歳前後の時から、企業の社員教育の現場にどっぷりはまった時期もあった。

中堅中小企業の幹部教育である。

 

自分の我流の体験に加えて、顧客の現場経験で、今の当社の社員教育の原型となる基準が出来た。そして、マネジメトント入門の本も上梓した。

 

 

こんな風に我が事を振り替えると、少なくとも30年超えてマネジメントをしている訳だが、未だに、難しいと思う。

 

マネジメントというのを改めて定義してみると、組織やチームで仕事や活動の結果を出すために、責任ある立場のマネージャーが部下やチームのメンバーをチームとしてまとめ、一体となって仕事や活動をできるように対応すること。こんな感じだ。

 

今は冒頭で書いたように、直接面と向かってコミュニケーションがなかなかできない。

上司の役割としては、部下の一挙手一投足や言動、そして、表情や元気さ、こういうことも多面的に掴んでおく必要がある。その上で目配り気配りも駆使して、上手に部下を動かす必要がある。

 

もちろん、自発的にできる上位20%に属する人は、ほっておいても良いが、マネジメントが必要なのは残りの80%である。

マネジメントの相手は常に人である。オンラインが一気に増えた今になって言えるのは、いままでオフィスでできていたことを如何に新たな方法で代替えするかである。少なくともオンラインでは職場の空気感はないに等しい。

 

上司も部下も新たなコミュニケーション力の強化が求められる。

私自身も次なるマネジメント力を会得するために試行錯誤するつもりである。

 

以上