近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

SDGsは企業経営の変革における錦の御旗になるのか?

数年前ならいざ知らず、今は、経営者であればSDGsを知らない人は少数だろう。

 

それだけ、メディアの喧伝はいうまでもなく、企業もSDGsを標榜するところが一気に増えた。極端にいえば、あらゆる業種がSDGs一色である。特に大企業がそういう傾向が強い。

もともとCSRがあった。だから大企業としては乗り換えやすい土壌にあった。もちろん、SDGsとCSRは関連性はある。

 

しかし、今となってはCSRは対象範囲が狭いし浅い。CSRは簡単に書くと企業が社会的責任を果たすという意味であるが、この社会的というのがほとんどの経営者にとって日本国内のことである。

 

一方、SDGsが対象としているのは地球である。国連が定めているように、本当に健全な地球の実現に向けて、人間が正しい知識を持ち、日々の生活の様式や活動を変革しないといけない。企業だけが仮に変わっても、あまり意味がない。

もっといえば、今の経済メカニズムに立脚した私たちの生活そのものを根底から変えないといけない。

 

経営者の中でも千差万別であり、SDGsの本質が理解できているとしたら、その実践は新聞にSDGsに取り組んでいますと載せることでもなく、SDGsの活動に参加していますとPRすることでもない。

 

本気で改革をする意識と実行をもって、SDGsに取り組むのはそう簡単なことではない。

 

今の経済メカニズムの中で、活動しているほとんどの会社は、地球に負荷をかけ、地球の資源を枯渇する流れに乗ったビジネス活動がほとんどである。

 

生活者にしてもそうだ、次から次へと投入される新商品に流され、次々と無駄な消費を繰り返す。

便利に満足できず、また、次の便利を求める。先進国の典型であるが、これで幸せといえるのだろうか。結局、先進国の大企業は富を貯え、新興国の人達は貧困にあえぐ。

 

私は、SDGsは新興国からという考えだ。

約3年前に行ったベトナム南部の最大都市カントーで当社が開催した越日文化経済交流フェスティバルで、私は宣言した。

私の言いたいことは、SDGsを新興国が真っ先に取り組みましょうという意味ではない。

そうならば、それは先進国の押し付けであって単なるエゴである。

 

 

 

産業革命以来、さんざん、地球のダメージを考えずに、好きにしてきた結果、経済成長を遂げて先進国になった。一方で、これからの国は、先進国の労働力搾取や産業廃棄物の廃棄の犠牲になったきた部分も大きい。

 

先進国はいままで自由にしてきて、今更、新興国に我慢しなさい。という構図では成り立ちようがない。

 

私が言いたいのは、日本の企業は、日本の国内で自分の会社だけでSDGsに取り組むのではなく、これから発展が有望な新興国が日本のような先進国のかつての失敗を繰り返さないように、反面教師としての立場で新興国やこれからの国に貢献しましょうという意味である。

 

また、新興国が地球に負荷をかけない経済発展をする道のりはとても困難である。

まだ、そういう新しい経済メカニズムは全体として機能したものは存在していない。先進国も今、取り組み始めたばかりである。

 

こういう時の共生の姿は、やはり、先進国が反省の意味も込めて、資金的余力を新興国の発展に投入する。こういうことでないと、地球全体の最適解にはならないと考えている。

根本から経営のあり方を変える最後のチャンスだと私は考えている。

 

以上