近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

過少な心配、過剰な心配、リスクに対する人の心理の不思議

車と飛行機、どちらが安全か?

と聞かれると、大抵の人は車と答えるだろう。

 

飛行機の事故は衝撃的だ。

だから、飛行機の方がリスクが高いと思ってしまう。

実際、事故の確率を計算していくと、車の方が遥かに高い。

 

私も1年前までは飛行機も車も四六時中乗っていた。今は、飛行機がなくなってはいるが・・

その時の感覚で言えば、やっぱり、飛行機はリスクを感じる。

巨大な積乱雲が見えてきたり、着陸前に何度も旋回が始まると、常に不安がよぎる。

 

一方、車に関しては、事故に対しての注意は払ってはいるが、不安は全くない。

 

こういうのを、過少な心配、過剰な心配と言っても間違いないと思う。

 

現実的に言えば、車の方がリスクは高いのだからもっと心配しても良いと思う。

 

人間とは不思議なもので、性格によっても生活環境によっても仕事などの立場によっても、心配の度合いが違う。

真っ先に頭に浮かぶのが、生まれつき楽観的に思える人だ。未だにこういう人に遭遇すると困惑する。

 

私のことを一見、そういう風に見る人もいるが、全く真逆で、子どもの頃から心配性だった。農家だから自然と共に生きていたようなもので、そういう意味では私の心配性は遺伝だと思っている。

だから、経営をするのには向いていると思う。

 

とは言え、創業時代の事を今から振り返れば、無謀なことも山のようにした。

無知だから出来たこと、勢いのみで出来たこと。なにかの勘違い、思い込みで気が大きくなりやってしまったことも沢山ある。

心配性の私でも、若かりし頃はかなりブレていたものだ。

 

では、なぜ、人が過少な心配、過剰な心配に陥ってしまうのか。理想的なのは、適正な心配ができることが一番良いように思う。

 

特に、ビジネスで考えると、過少な心配はリスクが増大する。過剰な心配は、チャンスを見逃すし、仮にリスク対策するとコストが過剰になる。

こんな風に考えただけでも、心配は適正であるのが望ましい。

 

当然、ビジネスでは生まれつきの楽観思考は通用しない。仮に楽観思考で行くとしても、それの根拠がないといけない。統計的な検証や科学的な裏付けが必要である。

 

心配がぶれやすいのが人間の性であるが、これを改善する方法は幾らでもある。

 

何よりも大事なのは、自分の失敗から学ぶことである。

例えば、車で言えば、今は優良ドライバーだが、私は人生において、2回軽い事故を経験している。そうすると、ヒヤリハットと言う意味での反省と気づきが芽生える。

 

もう一つが、自動車免許の更新時に意識が特に高まるが、悲惨な交通事故の事例を知った時である。こういう感覚は適度に必要で、疑似体験があれば、適度な心配が身についてくる。そして、普段の運転でもより一層、ヒヤリハットに気づく。

 

組織運営で言えば、過少な心配をする人が多いとリスクが増す。では過剰な心配をする人はどうだろうか?プライベートのみで考えると、精神的に疲れることもあると思う。

 

ビジネスでは、私は、過剰な心配ができる人と仕事をしていたいと思う。

会社運営のやり方にもよるが、私は、攻めと守りを両立したいタイプだ。

そうすると、両方やるのはなかなか大変だ。またまた、車で言うと、アクセルとブレーキを巧みに使えればよいが、なかなか、難しい。

理想的なのは、私が守りのみに専念したレベルで心配をしてくれる方が良い。

 

過少な心配では、大胆な攻めができない。

過剰な心配で守り大胆な攻めをするのが理想だ。

 

もちろん、人の感覚だけではNGで、しっかりとした裏付けが必要だ。

そういう意味では、これからの時代、過剰な心配はビックデータとAIがする。大胆な攻めは経営トップがする。こんな感じで、適正な心配が成立するように思っている。

 

以上