近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

2021年ビヨンドコロナ、これからの中小企業経営について

先日、当社のBナビオンで、

”2021年ビヨンドコロナこれからの中小企業経営のあり方”

について、オンライン講演した。

 

創業以来、中小企業を軸に企業支援サービスを行ってきたが、今年は、より一層、国内外の中小企業支援に向き合っていきたいと思う。

そんな考えや想いをまとめてセミナーをした。

 

私の話のトピックスは以下のとおりである。

 

・変化適応組織への変革のラストチャンス

・攻めと守りを如何にかじ取りするか?

・DX時代をどう生き抜くか?

・記録の時代の経営とは?

・専門性があだになる?

・情報セキュリティの本質

・多様な人材活用ができるビックチャンス

・AI君を経営に活かせるか?

・ロマンとソロバン

新興国ビジネスにどう取り組むか?

 

もし、ご関心がある方は、こちらの動画を見ていただけたら幸いである。

 

 

私の働いてきた人生は、ほとんどが中小企業で過ごしてきた。

新卒の最初の会社こそ、そこそこの大手企業だった。まあ、社員3000人程度のゼネコンだから大企業とは言い難い。その後、20代で働いた2社は中小企業。そして、31歳で創業。

 

1社目の転職の際は、大企業を選択肢にしていた。しかし、結果的に神戸の小さい技術系人材派遣会社に決めた。決めた理由は、やりがいとか仕事の内容ではなく、結婚していたこともあり、福利厚生の条件で決めた。社宅を用意するという話に流された。

 

ここが一番大きな転機だったように思う。

以来、中小企業に興味が湧き、どんどんのめり込んでいった。自然と、ブレインワークスを立ち上げたときには、中小企業支援をしようとなった。

特に、ITの仕事の経験があったので、中小企業のIT支援でしばらく経営は順調だった。

そんな中で、支援もおぼつかなくなるほど、自社の経営で揺れた。

私自身の経営力に起因するところがほとんどだが、更に輪をかけて3回の大波が来た。一回目は、ITバブル崩壊。次がリーマンショック。そして今のコロナ禍と言える。

 

なんとか生き延びてきたが、これから先を考えると、更なる試練がやってくると想像している。それだけ、変化が速いのである。

 

変化は人類が誕生して以来、常に存在してきた。しかし、昔は1000年単位だった。それが100年単位になり、そして今は、1年どころか1か月単位の感覚だ。ものによっては、たった1日で大きく変わるものもある。

 

中小企業が未曾有の試練の時期を迎えている。

こんな時に自社の本業として何ができるかを毎日毎日、自問自答している。

 

高度経済成長期のように他社の成功事例を紹介するようなサービスでは、ほとんど役に立たない。

 

何度考えても、自分たちのスタンスは、自分たちが積極果敢に変化の先頭に立って、自らがやってみることだと思っている。

 

もちろん、得意領域とそうでないところがある。

得意領域に関しては、更にスピードアップして、ダイナミックに展開するつもりだ。一方、不得意領域は、それが得意な会社と強いアライアンスを進める。

 

そういう意味では、これからは、中小企業同士のつながりの時代だと確信している。

昔のような大企業や国による護送船団方式を期待はできない。

 

むしろ大企業とも互角に勝負できる時代が来た。大きい小さいを飛び越えたフラットなビジネスプラッフフォームを構築する絶好のチャンスだ。 

 

それは、今流行りのIT活用やデジタル活用という事は前提にはなるが、それは必要条件であって十分条件ではない。

 

中小企業自身の変革しか生き延びる道はない。そのためには経営トップが変身しないといけない。

 

いままでの強みは近い将来の弱みである。今一度、リスクマネジメントを鉄壁にして、積極的に未来に向けて攻めるべきチャンスである。

 

なぜならば、戦後の荒廃から日本が立ち上がってきたのは、中小企業の経営者の気骨と勇気と迫力だったのだ。そのDNAは根っこでは変わっていないはずだ。いまこそ、日本の中小企業の底力を世界に伝播させる時期だと確信する。

 

最後に付け加えたいことが、あるそれは日本の悪しき金融制度の事だ。債務保証の問題は、国の仕組みなので、私には何ともできないが、日本が将来も素晴らしい国であろうとするならば、債務保証制度を改善するべきである。

間接金融が旧態依然ならば、直接金融に期待したいところだが、今でも中小企業の経営者はほとんどが債務保証をしている窮屈な国である。この改革なくして中小企業の明るい未来はない。

 

                           

以上