近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

シニア起業が日本を変える期待と応援メッセージ

シニア起業が本格的になってきた。

 

少なくとも私の周囲ではそうだ。

5年前に、拙著“もし波平が77歳だったら”を上梓して以来、多くのシニアの方々とお付き合い頂いてる。

 

日々、私の経営的な仕事にも、80代、70代の方々との活動とコミュニケーションが絶えない。結論から言うと、それだけ、わが社はシニアの方々のスキルと存在が必要なのだ。

 

鶏が先か卵が先かは今となっては分からないが、創業時から、シニアの活躍の場づくりと自社でのシニア活用は経営の一つの目標として掲げて活動してきた。その想いが、ここ数年で一気に花開きつつある。

今となっては、常識になったが、世界でこれほど経済発展した国が一気に高齢化が進んでいる事例はない。世界は、日本を良いお手本として期待しつつ観察している。

私が特に親しいベトナムからは、政府、民間ともに日本の高齢化をとても強い関心をもって見ているし、具体的に組みたいと思っている。介護が筆頭ではあるが、働き方、生活の仕方、バリアフリーなどテーマは様々だ。

 

そういう世界から注目される一方で、なかなか、日本の高齢化社会の課題解決の糸口は見えてこない。十羽ひとからげに高齢社会を見ると、当然に迷走する。高齢化社会はとても多様だ。そして、変化が速い。全体として課題認識をしている人はいないと思えるぐらい、見えにくい。 

 

そういう私も、アクティブシニアの方々との活動を基点に見ているので。氷山の一角程度しか見えていないと思う。

そういうジレンマを抱えつつも、身近でのシニア起業ブームには大いに期待している。

 

また、カナリアコミュニケーションズで“挑戦しよう!定年・シニア起業”を出版した岩本弘さんは、起業塾を運営してシニアを精力的にサポートされている。シニア起業の実践者が支援することはとても意義があると思う。

 岩本弘さんのHP

当たり前だが、シニア起業は、若い頃の起業とは違う。

企業にはリスクがつきものだ。今どき、ようやく日本の経営もハイリスクハイリターンからは脱却しつつあるが、それでもミドルリスクミドルリターンであり、企業にリスクはつきまとう。また、いまだに、社長の債務保証がなくならない、そういう意味での日本は後進国だ。

 

こういう起業環境の中で、シニアが同じ土俵で同じやり方で勝負するのはリスクだ。流石に、やり直す機会は少ない。若い起業家であれば、失敗が力になるし、米国などでは、失敗してはじめて一人前扱いだ。

こんな環境のなかでの、シニアの起業はどうあるべきか?

 

私は、シンプルにシニアの独立と言う考えをベースに組み立てるのが現実的だと思う。

自立と言い換えてもそう外れない。

 

実際、私の周囲には、一人で自立して独立して大活躍されている人が多い。

幸いにしてシニアはつながりに強い、信用もある。シニアのつながりが何倍にも発揮できるITのプラットフォームが進化し続けている。シニアと言えばデジタルに弱い。これが定番だが、だからこそ、この課題をどう克服するかだ。国も行政も民間企業もこぞって、このあたりの解決策を考案しようと腐心している。

 

最後に、当社が考えていることを書いておきたいと思う。

 

シニアの武器として情報発信、記録による知恵の共有、培ってきた人つながりなど・・・がある。

そして、好奇心旺盛の方の期待値は過去のものだけでなく、これからの価値創造だ。

混沌とした大きな変革期には、シニアの今の生活や活動から湧いてくる知恵も必要だ。

こういうシニアの知的資産を日本は今と未来で有効に活用するべき時代だと思う。

シニアジョブネットを構想してから約30年。その時のイメージに世の中が変化してきた。

シニア起業を積極的に応援していきたい。

 

以上