近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

必要な記憶と必要でない記憶を考える

記憶より記録。

私は、20年以上前からビジネスの場で連呼してきた。

 



 

今は、私の代名詞のようになったと自負してるが、言葉の問題だけではなく、ますます、確信に至っている。

 

すでにブログにも書いてきたが、

私も一般的な日本の子供が経験する記憶一辺倒の勉強から始まった。

正直、大学受験までは、それを疑問に感じることなく、そういう社会なんだと漠然と感じながら、社会人になった。

 

働くようになって、記憶力ではない仕事の現場に沢山触れた。ゼネコンに入ったことも大きい。特に現場監督はフィジカルなウエイトも高い。残念ながら、私はこういう仕事を実際に体験は出来なかったが、それでも土建屋の体質と言うのはある。

 

その後、ITの仕事をするようになって、コンピュータは記憶装置と言う記録するツールであることを知った。今は、ビッグデータやAIまでが一般用語化している。

 

まあ、玉石混交、蜃気楼のような浮かれた話も相まって、真相は闇のなかという感じもあるが、少なくとも、記録社会が進展しているのは疑う余地がない。

 

私は、記録の世紀と定義したが、1000年後、一万年後は、確実に記録による伝承の時代になっている。

 

基本的には、記憶は伝承できない。

もちろん、人間の遺伝子に影響するようなインパクトのある体験があれば、遺伝的に伝承できるが、人類の営みの伝承は、記録だ。

 

今でも、人類の過去の時代にさかのぼることを様々な専門家が探求しているが、昔になればなるほど、意図的な記録はほとんどない。

 

そういう意味での人類史上の転換期にある。

だから、記録社会を意識して生きることが大切な時代だ。

 

すでに、知識の時代ではない。物知り博士は、テレビのクイズ番組ですら出番がなくなるだろう。

 

ところで、ときどき、誤解を生むことがある。

私がまるで記憶は重視していないように思う人がいるようだ。それは真逆なので、記憶が必要な事を幾つか書く。

 

一つ目は、リスクマネジメントの中で一番重要なリスク察知力だ。

ビジネスでも一般生活でも根っこは同じだ。

人間は基本的に痛い目に遭った体験があるから、リスク察知力が高まる。

つまり、奥の深いエピソード記憶だ。

 

仮にリスクマネジメントを学問的にいくら勉強したとしても、それはせいぜい、私たちが受験勉強などで体験した短期記憶であり、すぐに忘れる。

仮に反芻して、長期記憶に残したところで、いざという時は役に立たない。

 

もう一つ重要な事は、人の事を気に掛ける記憶力である。

例えば、些細な約束がある。私は基本的に様々な約束をしないといけない立場だから、忘れるリスクがある。だから。メモに必ず書く。これを徹底していると、人の事を第一優先する意識とマメな記録が重なると、記憶がはっきりする。

 

もう一つは、瞬時の判断である。

最初のリスク察知力とも似ているが、

人間には瞬時に判断しないといけないことが沢山ある。考えていると鈍く思われるし、チャンスも逃げてしまう事がある。

即断即決の世界で、いちいち、記録したメモなど見れない。

これは、記憶の勝負である。直感に使い感覚だ。

 

あとは、最後にするが、アドリブで表現する世界だと思う。

頭に浮かんだ事を瞬時に話する。書く。図にする。脳の潜在意識に近いものだが、これも私は記憶の一種だと思っている。

 

こんな風に考えていくと、子供時代の記憶に近いものは、コンピュータにお任せ。

人間にしかできない、例えば琴線に触れるような言動は、記憶でする。

今の私の感覚はこんな感じある。

 

この先AI君の進化次第では、こういう感覚も変化するのではと思っている自分もいる・・。

 

以上