近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

アフリカの発展に関わることで日本人が得るものは?

日本のような先進国から見たら、新興国は総じて経済発展が遅れている…と映る。

 

実際、アフリカの地に訪れるとそのことを実感できる。ベトナムなどの新興国慣れしている私でも、約5年前、東アフリカのウガンダの地に降り立った時の感動は忘れない。

 

アフリカは人類にとって特別だと思う。しかし、映像や写真を見て感じる、その発展途上の印象には少し違和感を覚える。貧困や紛争、感染症などの報道やニュースは数多く流れているが、それらは、ほとんど先進国に生きる私たちの基準で印象が伝わっている。

 

 

 

アフリカがラストフロンティアとして話題になるようになり久しい。TICADのように、日本も国を挙げてプレゼンスの発揮に躍起になっている。国の政策でABE(African Business Education for Youth)イニシアティブが施行され、アフリカ人材育成にも力を入れてきた。

 

この制度などを活用して、私の会社でもすでに20名近くのアフリカ出身インターン生を日本国内で受けて入れてきた。おかげで、アフリカに一層、精通するきっかけができたため、今後も継続していこうと考えている。

 

すでに、JICAを中心として、多くの日本人が現地のサポートや発展のためにアフリカで活動している。その方々から現地の話を聞く機会は多いが、日本と比べるとあまりにも環境が違いすぎるアフリカの大地で、驚くばかりにタフに活動する姿勢には敬服するばかりだ。

 

日本にいると日本人の弱点ばかりが取り沙汰されやすいが、少なくとも、アフリカの現地で活動する彼ら・彼女らの努力が現地の発展に繋がって欲しいと願うばかりである。

 

ここで日本人らしいアフリカなどの新興国に対する貢献を考えてみたいと思う。

日本は先進国でもあり、ITも含め最先端テクノロジーを活用できる国。ITに関しては世界が鎬を削っていることは、専門家でもなくても理解できるかと思う。

 

日本がアフリカに対する貢献でITやテクノロジーを持ち込んでビジネスを構築したり、貧困脱出のきっかけを作ろうとしたりする活動をよく目にする。これはこれで大歓迎だ。しかしどうも今の日本の動きは、常に部分最適に走りすぎている。もう少し、言葉を選ぶと、「個人最適」で物事進めようとしているように見える。

 

アフリカの発展とは、そもそも一国単位の発展でもなく、アフリカ全体の発展だけを指すものもないと考えている。

 

 



 

また、ビジネスにとってもアフリカは最後のフロンティアなどではない。仮に今の経済メカニズムのまま、世界がまい進し続けるならば、間違いなくこの地球に人間は住めなくなる。そう意味で考えれば、人類にとってこれからのアフリカの活動は最後のチャンスともいえる。

 

先進国が見失ってしまったものや負の遺産、地球に負荷をかけるヒジネスモデルの延長線上に、さまざまなテクノロジーを導入しようとしても、それは本質的な解決には繋がらない。

 

 



 

今、アフリカには手垢のついていない大自然と、そこで人間らしく生活する姿が残っている。先進国の私たちが失いつつある生活や伝統、文化も大切にして生きている。テクノロジーは人間の生活に便利さを与えてくれる反面、人間らしく生きることの素晴らしさを感じる力を希薄にさせる。

 

ITが世界に広く普及した今こそ、人間自身の成長が必要だと思う。そういう視点でアフリカを見ると、人間らしく生きることの大切さに気づき、それを世界に再度伝播していくことが重要だ。

日本人はこのような活動においてアフリカにも、世界にも貢献できるのではと考えている。

 

日本人は、人間らしさを見つめなおして、日本人らしさを発揮しアフリカの発展に貢献する。こんな姿を目指していきたい。

 

最後に私が好きな本を紹介したい。

 

「テクノロジーは貧困を救わない」(みすず書房

 

これからの日本人に大切なものはテクノロジーではないと思う。

 

 

 

以上