近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

会社訪問で学生は何を掴みたいのか?

平地の紅葉も始まりかけた今、学生の就職活動もそろそろ終盤だろうか?

 

私の会社は随分前から随時採用に切り替えているので、採用に関してあまり季節感はない。

また、ベトナム人ルワンダ人をはじめ、新興国で積極的に学生も採用していて、それこそ、当社の学生の入社の時期はマチマチだ。

 

今年は、コロナ過で、就職活動も例年とは全く違っている。

例年であれば、4月ごろからリクルート服を着た学生が都会で目につくようになる。

明らかに、会社訪問をしていると思われるが、今年は流石にこういう活動は少ない。

ご多分に漏れず、就職活動もオンラインが多くなっていると思う。

 

今、働く世界でもオンラインの活用が急増した。

その一環として考えれば、会社側から見ての採用活動は、楽になったのではないかと思う。

 

実は、私も創業時から数年前までは、毎年会社説明会を自社の会議室や外の場所を借りて行っていた。ピーク時は、会社説明会の参加者が年間で1000人超えたこともある。

今のアジアブームが始まる前、その当時は、中国人や韓国人の応募も多かった。ようするに、その時代は、アジアの人達が日本で就職することは高いハードルだったわけである。

今とは隔世の感がある・・・。

 

実際に、会社説明会を開催するのは大変だ。少なくとも年間で30回以上段取りをしないといけない。

私は、その頃は、毎回自分で会社の説明をしていた。海外の時はオンラインでしていたが、基本的には直接話していた。

もっとも、私の常なるテーマは“会社は社会の入り口である”だった。

 

毎回の話が積もり積もって、ブログでも書いたし、書籍として発刊もした。

 



 

自分で言うのもなんだが、学生の反応はとても良かった。

“他の会社説明会とは違います。新鮮です”と“社会の事を知ることの大切さに気付きました”が毎回のアンケートの回答には一番多かった。

 

私の考えは、創業時から全く変わっていないが、

今の学生は変化しただろうか?

例外はいるとしても、ほとんどの学生は、限られた就職支援の会社の情報や大学からの情報の中で動く。だから、残念なことにスタート時点で、会社選択の可能性が狭まっている。

そして、会社選びに奔走する。

 

会社訪問では、会社の雰囲気を見ようとする人が圧倒的に多かったのには、常に驚きと残念な気持ちでいっぱいだった。会社訪問で分かることなどまずないに等しい。せいぜい、りっぱなオフィスとか、学生用に開放した部分はとてもきれいかもしれないとか。

会社訪問で会社の事など分かりようがない。

 

今年は、私にとって楽しみな状況にある。

会社訪問ができなくて、会社を選んだ人が、ビジネスの第一線で活躍するだろうその時代に、彼ら彼女らがどういう考えでどういう仕事をしているだろうか?

その頃には、すでに会社選びは死語になっているかもしれない。

就職する時に判断できることは、本当に人生の1%にも過ぎない。私は、極端な話、就職は抽選で決めても良いと思う。

 

ある程度の枠組みとルールは必要だと思うが、

この季節になると話題になる日本のプロ野球のドラフト制度。長年、賛否はあるし物議を醸すことも時々あったが、考えて見れば、プロらしい行動ではないかと思う。

 

自分が自立してプロになるのであれば、最初選んだ会社など大差ないと思う。

米国のように学生が起業する選択を日本にも増やしたいが、それは頑張っても10年やそこらでは実現しそうにない。

ならば、安定志向の就職を撤廃する方法として、オンラインでとても良い意味で軽く決めればよいと思う。

就職する人も会社もとても楽になる。巡り合う機会も多くなる。

そういう中で、自然体で縁でつながる方が、絶対に後悔することがないと思う。

 

 

以上